目次
はじめに
バイクは走行すると金属部は磨耗し、長年経過するとゴム類は劣化します。そうしてメンテナンス作業が発生します。新車のうちは軽いメンテナンス作業で乗り切れますが、長年または長距離乗るとどうしてもバイクを吊り上げて行うような重度なメンテナンス作業が必要になってきます。
私のバイクは年数は多めですが、その割も走行距離は少ない方になります。ですが経過年数とともに重度なメンテナンスが必要となってきました。
そこでメンテナンス作業するための環境作りから始めることにしました。
メンテナンス作業を少しでも快適にし、更に保管状態を良くすることを目的として、バイク保管用の屋根を自作しました。
単なる雨除け屋根ならそれなりに出来ますが、バイクを吊り上げる事の出来る(フレームハンガー)強度を持つようなフレーム(梁や柱)としました。
設置する場所が下の写真のように1メートル位と狭いため、強度を出すためにゴツゴツした太い材料は選べませんでした。設置する場所は、こんな狭い場所です。
太い材料を使用すると、仕上がり幅が90センチ以下となってしまい、バイクのハンドル幅以下となってしまいます。これではバイクが入らなくなってしまいますし、ギリギリ入ったとしても本来の目的であるメンテナンスの作業性はゼロとなってしまいます。
こんな狭い場所に屋根を設置するなんて~って・・・・、かなり無謀って思います。
でも、何とかなりそうです。何事もやる気次第なんです。
コンクリートベース
ベースとなるコンクリートは、全て手作業で練って作るのは大変だったので、下に捨てコンクリートを敷き、その上にコンクリートブロックを並べて固め、隙間にモルタルを詰めて固めたものとしました。コンクリートブロックの体積分だけ楽出来ました。
本当は捨てコンクリートを出来る限り平面にして固めたあと、その上に砂で高さ調整をしたあと、コンクリートブロックをおきて配置して平らな平面を出すべきところでした。
コンクリートブロックの下に砂を敷き、高さ調整をしないと最終的にキレイな面が出せないことは自明でしたが、面倒くさいのでテキトーにやってしまいました。かなり後悔しています。
当時、時間がなかなか割くことが出来なくて、大事な基礎部を手抜き工事してしまいました(^_^;)
コンクリートを作るとなると難しく思われますが、実は簡単に出来ます。
かなりの重労働にはなりますが、工程はとても簡単で水を入れて練るだけです。
プラ舟にコンクリート材料を入れ、水を規定量注ぎ入れ混ぜるだけです。コンクリートと水の割合がとても重要になります。
と言っても実際には、練る作業には体力がかなり必要です。スコップを使い全身で混ぜるとてもハードな作業になります。(手練りとも言いますが、実際は手だけでなく体全体を使いますので、全身全霊練りです💦)
コンクリートブロック下の捨てコンクリートの量は、厚さ数センチ位とは言え面積が幅1m×長さ3m(バイク長さ以上)となりますので、それなりの量になります。20キロ入りのコンクリートを3~4袋以上練り、ヘトヘトになりました。
※この後に、手前の通路もコンクリート舗装としましたため、10袋以上手練りコンクリートによる施工をしてしまいました(笑)
体力有る若いうちに仕上げてしまおうと頑張りました。
基礎となるコンクリート部だけで、費用は1万円超
骨組みの選定
上物の屋根の材料選定は、ホームセンターに何度も通い実際に材料を見ながら思案しました。
まずは木材の2×4材を使い安価に出来ないかな?と考えましたが、簡単に屋根は出来きるけど、バイクを吊り上げる程のガチガチ強度を出すとなると、柱が太くなってしまいます。
柱はより細く強度の高い金属で作りたいと考えました。
では、一言で金属と言っても色々あってどの材料にするの?となります。
と暫くネット検索し、他の方々の作品事例を見てみました。
しかし皆さん広い場所に建てられた作品が多く、さらにバイクを持ち上げるよう想定された構造になっておりませんでした。
普通、小屋の柱と梁を使ってバイクを持ち上げたいとは思いませんからね。仕方ない。
強度がそこそこあるフレーム部材を使い、ジョイント材もコンパクトにまとまる都合良いものが見当たりませんでした。
金属溶接すれば出来るけど、新築住宅の壁のギリギリでは溶接作業をしたくない。
壁が溶接熱で・・・。まずは溶けるか、燃えます。燃えなくても、焦げます。
ダメだ、溶接では!
では、イレクターなら?
豊富なパーツが有って、簡単に組み立てられます。
が、バイクを持ち上げられるだけの強度を出したい箇所には、どうしても部材を多くなります。部材が多くなってしまい経済的でないとの結論に至りました。
イレクターより太い単管パイプなら強度を簡単に出せるけれど、工事現場などで用いるクランプジョイントだと、手作り感(ハリボテ感)満載の不格好な形となってしまいます。
このジョイントを使用すると、交差させた分だけ内側か外側に次の単管パイプの芯がズレれてしまいますので、狭い空間で出来る限り広く製作したい場合には不向です。
でも単管パイプは安価な割に強度を有するコスパ良い材料になります。とても魅力的です。
そこで、材料として単管パイプにした場合に、もっと良いジョイント材料ないかな?と探してみました。
すると、良いジョイント材がありました!
イメージしたものを作れそうなジョイント材が!
アルインコ社やジョイント工業社などから、製造販売されているジョイント材でした。
更に調べてみるとジョイント工業のジョイント材が、ホームセンターコメリのネットショッピングで販売されていました。
ネットではなくコメリの実店舗やスーパービバホームの超大型店でも店頭販売されていますので、実際に見て購入する事が出来ます。
この製作当時は近くのホームセンターに販売されている箇所がなくて、探しまくってもジョイント材が見つからなかったため、ネットショッピングを頼ることにしました。
屋根用のジョイント材(ケタ、ムネと呼ばれます。)で、斜め方向のジョイントは、ヤフーショッピングやコメリのネットショッピングで購入することができました。
この屋根用の特殊なジョイント金具ですが、ケタ呼ばれる部材と屋根頂上部のムネと呼ばれる部材があります。これらは対になっております。
必要な個数ですが、バイク長さが2.5mくらいありますので、必然的にそれより長い屋根の長さとなります。少し余裕が欲しいので、少なくとも3m以上となります。
柱を両端のみとして間に柱を設けなくて、3mの間隔としてしまうとバイクを吊り上げるための強度が不足しますので、間に柱を設けることとし3セット分購入しました。
私のような片勾配屋根にする場合には、屋根用ケタ金具3個必要になります。
屋根は片勾配としたため、屋根用ムネ金具も同じ3個使用しました。
(両勾配屋根の場合には6個必要になります。)
建てたい小屋の長さと柱のピッチ長さを決めると、この屋根用の特殊な金具が何セット必要になるか決められると思います。
屋根部のフレーム材を決めたら、あとは柱をどの様に繋ぐか考えます。
すると下のような4方向、5方向を繋ぐ部材が必要になります。
私の場合は、4方向を繋ぐ中間コーナーKつなぎを、両端に2個使用しました。
5方向を繋ぐ中間コーナーK継ぎは、柱の中央部に1個使用しました。
これらは単品価格が少々高めになりますが、この部材を使うと出来上がりがシンプル、そしてジョイント材料の個数も減らせますので、結果として安上がりとなります。
これらジョイント材、単管パイプなどの材料費だけを見積もっただけで数万円になりました。早速ネット注文し、到着したところでフレーム(梁と柱)の製作をしました。
骨組み作り
パイプの長さ調整は、パイプカッターにて切断するだけなので超簡単です。
購入したジョイント材はネジ(ボルト)を回して締め付けるだけで固定出来ます。
まずは屋根となる三角形のうち最初に水平方向の寸法を決めました。次に斜め方向の部材を合うように寸法長さに切り揃えました。
そして、最後に必要な柱の長さを決め門型となります。
私は3セット門型を製作したところで、立ててケタ材の横穴に単管パイプを通し、もう1セットの門型を通したことで、フレームが自立させられました。
3セット通し終え、柱の位置を決め残る部材を取り付けると、フレームが出来上がりました。
(全て一人作業だったので、写真はありません。)
全てが手探り状態で製作したため、一度仮組みしてから寸法を確かめてから固定しました。
私の場合は基礎部をテキトーに仕上げたため、その基礎高さがビミョーに異なり、その高さ調整をするため仮付けしたあと、外して調整するを繰り返しながら組み立てました。寸法通りに組み立てるだけの作業なら、一人作業でも1日で完成するはずです。
写真で、手前側のパイプ端に、何故か屋根用のジョイント材が見えますが間違いではなく、コレは単管パイプを切るために固定用(万力代わり)として使用したためです。
パイプカッターで単管パイプを切断しようとすると、握力だけで固定することは出来ません。直交クランプをパイプ切断用に1個だけ購入すると、パイプを仮固定させて楽に切断する事が出来ます。
屋根作り
屋根材は、見た目の良い透明曇り加工されたポリカーボネート素材のパネル材を使いたかったのですが、ケンデポでは個人販売してもらえなかったので、ホームセンターにて渋々 波板を購入してきました。
それでもハリボテ感が全面に出ないように、光沢あるブロンズ色にしました。
波板の見た目を少しでも良くしたかったので、天井裏などに使用する軽量角パイプ(角スタッド4045)を、波板固定用として横に流してみました。
角スタッド材なら、単管パイプと同じような亜鉛メッキ処理されていますので、フレーム材との統一感があります。
ここに木材を使ってしまうと、一気にハリボテ感が出ます。単管パイプの金属ぽっい強固な雰囲気を壊さないよう、あえてスタッド材にしました。
そんな金属の角スタッド材は垂木止めクランプを使い固定しました。平行タイプが近くのホームセンターで販売されていなかったため、残念ながら自在タイプとしました。少し遊びがありグラグラしたため、結束バンドにて締め付け遊びを無くすことにしました。
手探り状態でしたので、まずはフレーム製作することを先行し、後で屋根の材料を考えて購入しました。そこで後施工でもパイプに固定出来るクランプタイプにしましたが、
もっと見た目が良くなる下のような部品を、骨組みの上部へ仕込んでおけば良かったと後悔しています。
角スタッドを設置したら、その上に波板を鉄板ビス止めにて固定したら、屋根の完成です。
波板と角スタッドとの間には、風による振動防止に専用のパッキンを入れてあります。
このパッキンを角スタッドにテープで固定させておくことで、波板を固定する時にズレにくくなるため、作業性もアップしました。
単管パイプで出来たフレームを、単管パイプ用の脚材を使い土間コンクリートに、アンカーボルト固定しました。
普通は、基礎⇒ベース金具⇒柱⇒屋根と上へ上へと設置していくのでしょうが、ここでは屋根側から製作していき、最後にベース金具部にて調整することにしました。
家の壁側は普通の脚材としました。
しかし、普通の脚材だとコンクリートブロック横ギリギリまでパイプを寄せられません。
そこでフェンス用ブロック材の横ギリギリまで、寄せられる木材止め金具にて設置しました。
梁などの木材用の固定金具なのですが、何でもアリです。
打ち込んだコンクリートアンカーは、普通の電動ドリルにコンクリート用のドリル刃を使い、打ち込むアンカーの規定深さまで穴を開けました。
振動ドリルでなくてもコンクリートに穴を開けられる刃が販売されています。
アンカーボルトを打ち込んで、屋根用のフレームを基礎部に固定させ完成となりました。
こんな単管パイプの屋根で、250kg近くある大型バイクのフロント側を、ちゃんと吊り上げることが出来ました。
ちなみに似たような材料を使い自転車用の屋根は、こんな感じに仕上げました。
こんな屋根でもバイクの雨よけとして十分使えますし、少し補強すればバイクのフロントくらいは持ち上げることが可能です。
単管パイプバイク置場の方は、後にトロリーとと走行ローラーも取付けました。
やれば出来る!
必要な道具
製作に必要な道具は、いろいろあります。
単管パイプの組み立てだけなら、パイプカッターと、ヤスリ、レンチなどが有れば簡単にできます。
パイプを切るときに、手で持ち回転を止めようとすると、とても大変です。
万力(バイス)が無ければ、直交クランプを1つ購入することをオススメします。
直交クランプを使い、他の材料と十字形に固定させて切断すると、切断させるパイプが回転しないため、力を入れやすくなり作業が楽になります。
しかし小手先の知識や道具などより、一番必要なもの、それは やる気 です。
主なジョイント材料の紹介
屋根回りの特殊な形状の接続金具もあります。
部材購入するなら、コメリドットコムが、検索しやすいですよ。
波板を止めるのは
屋根だけですと横から雨が差し込んでくるので、横の上半分だけ壁を設置しました。
壁を下まで設置したかったのですが、物理的に難しかったことから諦めました。
単管パイプによる屋根は、なかりの労力を要します。単純に屋根だけ欲しいなら、こんな屋根を3つ連結するとバイクに必要な屋根の長さとなります。こんなタイプの方が簡単に取付けられます。