目次
はじめに
暑くて蚊が出てくる時期は、屋外作業は余程の理由がない限り行いたくありませんので、バイク整備作業から遠ざかっています。
この時期はツーリング(観光)、山登り、釣りと大変忙しい時期でもあるため、整備する暇など有りません。
今回の記事は整備作業そのもののではなく、作業するための大道具(設備)の話になります。
バイクを長く乗っていますと色々な箇所が劣化してきて、その都度DIY整備しています。
そんな整備する時にバイクを持ち上げたい時が度々あります。
センタースタンドを装着しているバイクであれば、比較的楽に持ち上げることが出来ます。そのときはバイク専用のフロント側のリフターを使うことが一般的なのでしょう。
リヤも兼用する便利で安価なモデルなら、5000円くらいで販売されています。
これだとセンタースタンドがなければ、リヤのメンテナンススタンドがもう1台必要になります。同じようなものを2台購入することになります。
下から支えるメンテナンススタンドの欠点として、ステムを分解する時やリヤサスペンション交換する時などでは使用出来ないことです。
そんな時、フレームハンガーのように上から吊るすタイプのリフターが有れば良いのにな?って困ったこと有りませんかね?
そもそもステムやサスペンション交換なんて滅多に無いことなので、ショップなどに頼めば十分と言えばそれまでなんですけど。
バイクのフレームを下から持ち上げるのではなく、上から簡易的に吊せるような道具について提案します。
私はバイク保管用の屋根がフレームスタンド代わりにもなるため、最近では困ることはありません。
が、屋根を作る前までは過去に何度か、吊り上げるメンテナンススタンドが欲しい状況が有りました。
社宅やマンションなどに住んでいたときは、本当に困りました。
同じように、メンテナンス時に困った方へ、メンテナンス時に役に立つテクニックの紹介をさせて頂きます。
バイクを下から持ち上げるセンタースタンドは何かと便利で、頻繁に使用しています。
対してジャッキスタンドはどうかと言うと、年に1回使うのかな?
我が家では完全に戦力外として、常に干されてます。
便利な道具ではあるんですが、この様に完全に干されております ピュー
いつも戦力外となっているジャッキスタンドを、何とか活躍させてやりたいと思います。
市販フレームスタンドの構造確認
まずは、一般的に市販されているフレームスタンドについて、まずはどの様な構造でどの様な部材が使われているか確認しておきます。
モノを上に吊り上げるために、そこそこ強度があれば良い単純なフレーム構造の門型になっています。構成する部材は、フレームがパイプ材、脚部はジャッキスタンドのような構造もあります。
と言うことで脚部材には、普段干されっぱなしであるジャッキスタンドにて置換えられそうだと考えられます。
コレ、良く似た形と機能を持ってますからね。
このジャッキスタンドのとある寸法を測ってみます。
そう、ここの寸法を測ってみます。
何かと同じであるか、分かりますか?
外径48.6mm?
コレは!
そうです!配管40Aサイズ!
ジャッキの部材には、規格化されたパイプ40Aサイズが使われていました。
と言うことは!それってもしかして、このパイプと同じ径ですか?
そう!
単管パイプのサイズも規格化されており、外径が48.6mmと同じ40Aサイズになります。
単管パイプにも肉厚1.8mmと2.8mmと2種類ありますが、ジャッキスタンドに使われるパイプ材と同じ外径だったんですね。
となると、ジャッキスタンドのインナーパイプに使われるパイプサイズは、40Aサイズの一つ下の32Aサイズってこと?
そうです。当然32Aサイズですよね。
工業製品の多くは規格化された材料が使われています。規格から外れた特別なサイズの材料は、メーカーにとって高額な特注品になるため、滅多なことでは採用されませんからね。
サイズが分かれば、あとは単管パイプとジャッキスタンドを連結できるような金具を探すことになります。
連結する金具があれば、脚の付いた柱材を簡単に組み立てることができそうですね。
部材の選定と調達
ボンジョイント
単管パイプと単管パイプを連結させるようなジョイント材は、一般的にホームセンターなどで販売されており、安価に入手出来ると思います。
ここのジョイント材は、C型ボンジョイントと言います。
中間部のボルトを締め付けると、広がるような構造になっています。それをパイプをパイプの間に入れ、広げることで抜けにくくなり、パイプ相互を連結させられます。
これでジャッキスタンドと単管パイプを、簡単に連結することが出来て、脚付きの柱材の完成が見えてきました。
単管パイプジョイント金具
柱材と梁材と連結させるパイプジョイントには、このジョイント材を使いました。
梁の長さは状況によって変更したいため、長さ調整できるようT字継ぎにしました。
90°エルボタイプを使っても問題はありません。
が、値段は90°エルボもT字継ぎのジョイント金具も同じだったため、より汎用性の高いT字を私は選択しました。
因みに、安価な直交クランプを使う場合には、吊り上げる梁が脚の中心からオフセットしてしまいます。そのため、転倒しやすい構造となりますので、脚の転倒防止を強化させて下さい。
転倒しやすい状態で重量物を吊り上げるのは、危険行為になります。
単管パイプ
単管パイプは長さ1.0mか1.5mのモノを、計3本用意します。(ホームセンターなどで1本1000円前後で販売されています)
当然ですが、脚とする部材2本は同じ長さとして下さい。
長さ1.0mの単管パイプを脚にした場合でも、ジャッキの高さ分が足されるため、全体の高さは1.3mくらいになります。
脚を長くするほど作業しやすくなりますが、安定性と座屈強度は劣ってきますので、1.0から1.5mくらいが丁度良い長さだと考えられます。
単管パイプは比較的簡単に切れるため、長さの変更も可能です。
切った端部はバリが残るため、指を切りやすくなります。ヤスリなどで削り処理しておきましょう。
因みに私は、脚の長さ1m、梁長さ1.5m弱(過去の端切れ材)として使用しています。
全体組立
あとは、これらを門型になるように組み立てるだけです。
高さは1.3mなので、バイクのリヤ側は余裕で持ち上げる高さがあります。
これにラチェット式荷締めベルトを使い、簡単に持ち上げることが出来ます。
門型に組み上げただけではグラグラしますが、荷を吊り上げると荷重がかかった分だけ安定します。
とは言え、地盤面はしっかりとしたコンクリートやアスファルトの水平面でないと、不安定な状態になります。必ず水平面に設置する必要があります。
更に転倒防止としてベニア板などを下に敷き、さらにジャッキスタンドの脚をビス止めするなどしたほうが安定感が増します。
とても簡単な構造になりますし、部材点数も少ないため、あっと言う間に強度ある門型のフレームハンガーが出来上がります。そして、分解も簡単にできて、全て分解すると置き場に困ることも少ないと思います。
専用品も良いのですが、このような組み合わせて出来る道具の方が、置き場に困らないため、狭いスペースしかないマンションなどでも使えるテクニックとして紹介します。
繰り返しになりますが、このような門型クレーンの場合は、前後方向にとても倒れやすいため、転倒防止対策が必要です。より安定し安全に作業出来ます。
大事なバイクを転倒させ自身も怪我せぬよう、転倒防止は念には念を入れてから作業してください。一手間を惜しむと後悔します。