目次
はじめに
あちこちメンテナンスやカスタムを施しながら、イナズマ1200をこれまで20年以上延命させてきました。とは言え、走行距離はそれほどなので、心臓部であるエンジンはまだ元気です。
しかし、これまで手を加えることがなかった塗装箇所に目をやると、やはり年数を感じさせるような錆や塗装剥がれなど、疎らに見られるようになりました。
そこで今回は、カスタムするほど対比して目立つフロントフォークの錆汚れを取り除き、金属表面をきちんとリフレッシュしようと思います。
まずは現状のフロントフォーク部の拡大写真から
フロントフォークのインナーチューブは金ピカ、スタビライザーは銀ピカと、眩しく輝いてます!
対して、その下のアウターチューブは、何と黒ずんだ銀であることか↷
特に前面側は小石などが当たり塗装が剥がれ、アルミ地となった箇所から錆ている状況となっています。これを、ピカピカ部品と対比してしまうと、より汚く見えてしまいます。
この錆びたフロントフォークを綺麗に洗っただけではピカピカには輝きません。ここは手間と時間が多少掛かりますが、表面の塗装と一緒に金属表面を削り、綺麗に磨こうと思います。
ただし、ピカピカ過ぎる鏡面は好みではないため、ヘアラインが少し残る程度の仕上げに留め、仕上げ塗装として表面クリアー塗装を施したいと思います。
荒磨き作業
塗装だけ先にケミカル剤にて剥がす作業を行うのですが、面倒くさい!
表面のクリアー塗装も一緒に荒々しく磨いて、剥がすことにしました。
フォーク2本を全て手作業となると、嫌気がさしてきますので、電動工具にて手っ取り早く作業することにします。
その電動工具ですが、グラインダーだと回転数と騒音レベルが高すぎます。回転数が低く騒音レベルが低めなドリルを、ポリッシャーとして使用しようと思います。
ドリルポリッシャー用アタッチメント
電動ドリルをポリッシャーとして使う場合、専用のアタッチメントが必要となります。
六角軸アーバー+バフ
あると便利な六角アーバーと、ヤスリのバフを組み合わせて電動ドリルにセット出来るようにしておくと、番手の異なるバフにより荒磨きから仕上げまでをバフ研磨しやすくなります。
ヤスリのディスクは100円ショップで購入出来るので、とても経済的です。ただ番手が荒すぎます。
ソコソコ荒い研磨には使えます。
スポンジバフ対応アタッチメント
もしくはマジックテープにて研磨部を簡単に取替えられるタイプを選択します。
車の磨きに以前使用した、こんなアタッチメントを所有しています。
が、新しいアタッチメントが欲しくて下のタイプのアタッチメントを今回購入し、使用することにしました(^_^;)
今回の購入品
一般的なディスクも使用出来るため、メリットは多々あります。
今のところデメリットは、あまりないかな?
研削ディスクは、100円ショップ ダイソーにてディスクペーパー、ナイロンディスクを購入してきました。
番手は#400、#240、ナイロンディスク、バフ研磨用フェルトディスク、ブラシを用意しました。これだけの番手違いを購入しても1000円以下になります。
フロントフォーク取外し・フロントアップ作業
研磨〜塗装完了するまでの2週間以上はフロント側をアップさせた状態を維持しなければなりません。そこで活躍するのが、単管パイプで組上げたバイク用の屋根です。
とても便利な設備になります。
フロント側だけでなく、リヤ側も同時に持ち上げる強度があります。
でも、フロント・リヤ同時に持ち上げることはありませんけどね(*´σー`)エヘヘ
さらに、万が一に備えて下からもジャッキを入れておきました。でもジャッキは単なる保険です。
フロントフォークを取り外すため、スタビライザー、スピードメーターケーブル、ブレーキ、アクスルシャフト、フロントタイヤと外します。
これだけ外したら、フロントフォークをようやく外せます。
何度も行ってきた作業なので、フロントフォークまでは比較的簡単に外せました。
研磨作業
外したフロントフォークですが、研削する前にまずはインナーチューブ側を養生しておきます。
インナーチューブとアウターチューブの間にあるダストシールは外しておきます。
ダストシールを外したら、インナーチューブを簡単に養生しておきます。
フロントフォーク、研削工具を準備したら、スイッチオン!
あとはひたすら磨きます〜。
比較的広い箇所は電動、狭い箇所は手作業にて進めました。
電動って楽チンですね。
まずは表面のクリアー塗装を剥がすことも兼ねて、#240で様子見てみました。
が、試し研磨の時点で、番手が荒すぎました。
そこで#240と#400の出番なしとしました。
ナイロンのみとしました。
一本目の半分を磨いたところになります。
半分未施工部との境界が、写真中央のようにハッキリとわかるくらい、輝き具合が異なってました。
2時間の磨き作業では、輝き具合はまだまだ(;´д`)トホホ…
4〜5時間かけてようやく1本目の研磨が、ほぼ完了!
ア〜疲れた〜😫
フォークの左右にて見比べてみました。
どちらが研磨したものなのか?が、一目で分かるくらいに輝き具合が異なります。
左側が研磨前、右側が研磨後になります。
これでもヘアライン仕上げになります。
これぐらい違うと、苦労して磨いた甲斐があったと、報われます。
作業前の目標は、軽くバフ掛けし薄っすらピカピカする程度でした。が、ヘアライン仕上げくらいの磨きまでに労力をかなり要し過ぎてしまいめました。
ここで、労力に対する効果とのバランスを考え直す事にしました。これをハッキリ言うと、妥協と言います(汗)
もう少しだけピカピカ感が欲しいので、軽くバフがけし、鏡面寄りの仕上げまでにしようかな?
それとも、この位で十分なクオリティーが出せましたので、これ位にするのか?
答え:即決 これだけで十分でしょう。
しかし、磨けば磨くほど綺麗になるため、時間の許す範囲で気が済むまで磨くとこにしました。
後で後悔だけはしたくないからね。
クリアー塗装
養生工程
フォークを全バラシせずインナーチューブが付いたままなので、塗装が飛散してインナーチューブなどに付着しないようにする目的です。
すでに磨く前にしっかり養生していますので、磨き作業時のズレや破れ箇所を再度養生テープで貼り直しただけです。
塗装工程
アルミは酸化し難い素材ではありますが、錆びます。
せっかく磨いたアルミ素地表面の銀色を長く綺麗な状態として保ちたいので、酸化防止被膜としてクリア塗装しておきました。
塗装材料として、対薬品や対ガソリンに強いウレタン系でも良いのですが、ガソリンが付着するパーツではありません。アクリル系で十分でしょう。
このデイトナMCペインターは、耐ガソリン性を必要としない箇所の仕上げ用クリア塗料です。
フロント・リヤフェンダー、ビキニカウルの最終仕上げとして使用してきたスプレーなので、残量と、ストックがあり、今回も同じスプレーを使うこととしました。
塗装の前に準備作業がありました。
フロントフォークを塗装する際に倒れないよう、何かの架台などのような物にシッカリと固定した方が作業しやすくなります。その後の乾燥もさせやすいですから。
ボイド管をちょうど良い長さに切断し、結束バンドにて固定させておきます。
そこにフロントフォークを逆さまに突っ込んだら、塗装作業の準備完了です。
クリアー塗装するだけですが、その前処理としてしっかりと脱脂をしなければなりません。
この架台に立てかけたまま、パーツクリーナーを大量に吹きかけ、ブラッシングもしながら洗浄しておきました。
研磨作業の時に手であちこち触り脂が付いています。また、バフ材などにも油脂が含まれていますので、しっかりと脱脂する必要があります。
あとはクリア塗装を2回位に分けて吹きかけたら、完了!
乾燥するまで、数時間待つこととなりました。
仕上がり具合
クリアー塗装したことでツヤが出て、さらに錆びにくくなりました。
所々にやり残した箇所や、少しクリアー塗装のダレた箇所など、クオリティーの低い箇所が見られますが、全体としてはまずまずの仕上がりとなりました。
実際にバイクに取付けてみると、それほど気になるようなクオリティーではなく、むしろ良い仕上がり具合だと思います。
今回のレストアは、費用より労力に対する効果があまり良くない作業でありました。
しかし、ここ最近のメンテナンスやカスタムのなかでは、やって良かった作業の上位クラスになると思います。自己満足度は、かなり上がりました。
ピカピカって気分が上がりますね。