イナズマ1200整備日記

イナズマ1200のバイク整備と、整備と称するDIYレベルで出来るプチカスタムを行っていきます。そんな記録とキャンプツーリングに必要な小道具類などをDIYした記録、そして旅行の記録です。

アクティブ薄型ハンドルスイッチ取付 (スロットルホルダー・ワイヤー交換番外編 スイッチボックスTYPE-2取付)

目次

 

はじめに

スロットルホルダー・ワイヤー交換作業を行いましたが、薄型ハンドルスイッチ取付は、問題点が多くて先送りしていました。今回、その取り付け作業だけであるため、番外編としました。

そもそも、ハンドルスイッチは社外品に交換しなくても、ちゃんと機能していますので、見た目だけの変更となります。

経緯を詳しく説明しますと、先日スロットルワイヤーを更新する目的として、社外品へ交換することにしました。

その際、別体のスロットルホルダーを取付ることになりますが、併せて幅の狭い薄型ハンドルスイッチに交換する必要があります。

そんな交換作業の途中でしたが、最後は時間的都合により、純正のスロットルホルダー一体型ハンドルスイッチを切断することにしました。

これを、やっつけ仕事と言います。

でも人によっては、これでもアリな形になります。

minow.hatenablog.com

私には、あくまでも仮の取付状態になります。それは、部品を購入し、作業の途中で投げ出す訳にはいきませんから。 

最後までヤリ切ります。

 

※もっと、近い配線の形をした車種を選んだ方が、こんな手間はありません。

どんな車種の配線タイプでも、今回の手法なら参考になると思います。

もっと、楽に行える方法(配線の途中で繋ぎ合わせる方法)もありましたが、敢えてチャレンジしました。

 

現状把握(配線図と実配線の対比)

こちらは、アクティブ スイッチキットTYPE-2の配線(CB1300SF用)のうち、カプラーに差し込んであった平端子を分解したもの。

平端子は9ピンしかありません。
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対して純正の配線は、12端子あります。

 

純正配線は、13箇所の配線先に対して12端子と言う、ほぼ1対1という、ある意味シンプルな配線構成になります。

アクティブのスイッチも純正と同じ13カ所の配線先があります。スイッチの構成も同様になりますので、純正と対応した配線先を一致するよう、純正カプラーに付け替え配線すれば良いだけです。

 なので、改造と言ってもあまり考える必要はありません。

 

物理的には、カプラーに入る平端子が有れば、簡単に変更出来ます。

平端子が有ればですけど。

 

アクティブハンドルスイッチ配線は、途中で切断されていた若葉色の配線長さに切り揃えても、十分な長さがあります。

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全て若葉色と同じ長さに切り揃え、平端子を取り付け、カプラーに配線することにし、作業を進めることにしました。

 

配線は事前に確認し、配線色対応表を作成しましたので、それを基に確認しながら進めることとします。

 

配線改造作業

アクティブ ハンドルスイッチの配線長さを切り揃え、新たに端子を取り付け、純正カプラーに差し替えることで進みます。
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カプラーに使われる端子は、平端子なので、大きさから110型と思い込み作業進めることになります。その端子を配線にカシメ、カプラーに取り付けることとしました。

 

平端子110型になりますが、オスタイプだけ欲したかったので、秋葉原の電気街にてバラ売りを購入してきました。

1個10円(税抜)ですからね。安い!

エーモン カプラー用端子セット 110型 5セット 1129

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しかしこれが、あとで無駄になるとは・・・・。

 

取付作業

ブレーキスイッチの配線長さが短かったので引き出し、カプラー側の配線長さを若葉色に揃え、不要な長さ分を切断して、・・・と進むはずでした。

 

ブレーキスイッチのカプラーは、L字型の平端子は同じですが、これがビミョーに形状が異なります。

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カシメる方向が、左右と言うのか裏表と言うのか、魚で言うところのヒラメとカレイの違いくらいです(^_^;)

 

しかし、ここの端子はカプラー無しでも差し込めますから、問題なし。

この後、車体側のカプラーに問題が・・・。

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何?

平端子110型だと、純正品のカプラーに入りません⤵️

暫く、よく考えます・・・ チーン!

 

よしっ!

配線は純正を使い、ハンドルスイッチのボックス側をアクティブのハンドルスイッチボックスを使うことにしよう!

 

そうなると、ハンドルスイッチ内部のハンダ付けされる端部を、ハンダコテを使って全て外し、配線変更することになります。

 

面倒臭い上に、手先の器用さが求められますからね。

しかし、ヤルと決めたら最後までヤリ切りますよ。

 

純正ハンドルスイッチを、分解します。
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アクティブ ハンドルスイッチ側も分解します。
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2本の配線から、ハンダコテ取り付け部を外していきます。
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こんなゴミゴミした配線なので、結構手間かかります。

 

写真のように、斜めにハンダコテ付けしないと、スイッチに配線が収まりません。f:id:Minow:20200903183112j:image

 

配線を手で押さえられませんので、配線クリップは、万力で代用します。
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純正ハンドルスイッチの配線色と、アクティブ ハンドルスイッチの配線色との対比表になります。(自作です。間違っていたらゴメンナサイ。でも、私はこれで無事に作業完了し、走れる状態になりました。)

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配線し終わったら、スイッチ部を組み立て、ハンドルに取り付けたら、カプラーはヘッドライトのケースに収め、ヘッドライトを復旧したら、作業完了となります。f:id:Minow:20200903183415j:image

ハンドルスイッチを交換しましたが、純正ハンドルスイッチを切断したものと、見た目は大差無しと感じております。

 

でも、少しクオリティーが上がった?

嫌々そんなこと有りません。スイッチのプラスチック部は、クオリティーが低めです。

 

純正品の方が、プラスチック素材がハイクオリティーです。

何てこった!

 

手間を掛けた割に、見た目だけのアップです。

性能アップは有りませんから、正直、ここはコストパフォーマンスは低いと感じています。

 

最後に 

ワイヤーと言う消耗部品を、単純交換するだけだったはずなのに、結果としてカスタムしてしまいました。

その付随する他のパーツも含めて、ハンドル周りのパーツが、結果的に短期間で全て入れ替わってしまいましたね。

結果良しとします。

 

これで、暫く安心して乗れますね。

 

 

スロットルホルダー・ワイヤー交換 (ちょっとだけハイスロ化)取付編 アクティブType-3

目次

 

部品購入編のおさらい

スロットルワイヤーの更新(交換)を行うついでに、スロットルホルダーと、ハンドルスイッチの交換も行うことにしました。

そんな部品の購入を行ったところからの続きになります。 

minow.hatenablog.com

 

 

はじめに

この取付編では、実際の取付作業についてレポートします。

 

【ハンドルスイッチ取付編】

ハンドルスイッチの配線については、純正の配線図と、アクティブの配線図を比較します。

更に、実際の配線について、配線色とコネクターの配置などを、見比べながら配線の変更を行っていきます。

途中、時間の都合により購入したハンドルスイッチではなく、純正ハンドルスイッチを改造することに変更しました。

 

【スロットルホルダー、ワイヤー取付編】

スロットルホルダーからキャブまでのワイヤーの更新については、キャブを取り外さなければなりません。

キャブを外す作業が余計な手間となりますため、キャブ内部のクリーニングも行うこととします。

 

ハンドルスイッチ取付編

幅の狭いハンドルスイッチの定番商品であるアクティブのハンドルキット TYPE-2を購入しました。

適用車種として、イナズマ1200用の設定はありませんので、格安販売されていたCB1300SF用を購入しました。年式は06年~11年対応になります。

到着したら、早速部品の状態チェックします。

カプラー配線端子数は9ピンで、形状は平端子になります。
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そして、配線図を確認します。

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ん?

何か違和感を感じせんか?

 

配線図の配線数と、カプラー端子数が合わないのはなぜ?

 

そこで、カプラー端子のあたりを良く見ると、端子部で配線2本をまとめている箇所があります。

 

コレか?

(写真では一番上になります黄色と橙色の2配線が、端子部にて1つになっていますね。)
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他にもありましたが、まだ本数が足りませんね(^_^;)

 

よく配線図を見て、カプラー付近と対比し見てみます。

と、ある配線色が、カプラー付近に無いとこに気づきます。

 

若葉色と配線図に記載がありますが、実配線は見当たりません。

何処?そもそも若葉色とは、何色?

 

反対側になるスイッチ側を見てみますと、ここには若葉色が有りました!
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何処かで分岐(配線によっては合流)させている?ってことでしょうか。

 

他にも灰色が見当たりませんが、ハンドルスイッチ側にはありました。先の写真にも写ってますね。

 

こうなると、どこでどのように分岐しているのか?調べるためには、ハーネスを分解してみた方が早そうですね。

 

カプラー端子の分解には、先端の細いピップアップ用のピンか、精密ドライバー等をカプラーに差し込み、抜け防止用の出っ張りを押さえながら外します。

分解する前に、配線と端子の並びをメモ書きしてありますから、ちゃんと元に戻せますよ(^_^;)

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こちらが、ハンドルスイッチ側の配線になります。
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こちらが、カプラー側の配線になります。
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写真の通り、若葉色はカプラーから5センチ程上にて切れてます。と言うか、切られています。

灰色は、カプラー付近で黒色と繋がっていました。

配線図の記載通りハンドルスイッチ側の実配線にはあるのに、カプラー側には実配線が無いわけです。

これで、謎は解けました。

 

こんな、現状を把握することこそが、取り付け前の準備作業になります。

ようやくスタート地点に立てた気分になります。

が、アクティブのハンドルスイッチ取付けは、時間的関係にて、今回の取付は見送りました。

(この後、薄型ハンドルスイッチはちゃんと取付けました。この続きはこちら。)

minow.hatenablog.com

 

 

 

そこで、時間短縮のために行った方法が、純正品を使った改造です。

今回は、こちらを採用することにしました。

 

純正ハンドルスイッチを取り外します。
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純正ハンドルスイッチの幅を計測します。横幅は46mm位ありますね。
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が、純正ハンドルスイッチは、スロットルホルダー一体型になりますので、純粋なハンドルスイッチ幅は33mm位になりますね。

スロットルホルダー部は13mm程度あるってことです。
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え?

もしかして、不要となるスロットルホルダー部を10mmくらい切るの?

 

その通り!
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薄刃クラインダーによりカットしました。

 

キルスイッチのシンボルマークが消えないギリギリのラインでカットしました。

出来上がりの幅は、上側38mm、下側35mmと、少し斜めにカットしてしまいました。
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 ハンドルスイッチ部と間に少しだけ空間部が出来ましたが、スロットルホルダーと数mmラップするはずなので、取付け時には良い方向に転ぶはずです。

 

ワイヤー取替、スロットルホルダー取付

スロットルワイヤーを外すと言っても、実際の作業はそう簡単ではありません。

なんと言ってもキャブを外し、狭いワイヤー取付け部にアクセスする必要がありますから。

そのキャブを外すことが、一大イベントになるくらいの作業なのに、今回はプラスアルファの作業が色々と多くあります。

 

って、つべこべ言ってないで、手を動かしなさい!

 

では。

バッテリー外して、バッテリーボックスも外します。バッテリーボックスは外したら、スイングアーム上に載せておきます。

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ガソリンタンクを外し、サイドカバーを外し、エアクリーナーボックス固定ボルトを外します。
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エアクリーナーとキャブの締め付けバンドを緩めておき、エアークリーナーボックスを、グリグリと上下左右に回すように後ろに引き下げますと、キャブから外れます。
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スロットルポジションセンサーの配線のカプラーと、チョークワイヤー、キャブに繋がるゴムホースを全て外します。
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エンジン側のインテークパイプのバンドを緩めたら、キャブを一旦後ろに引っこ抜き、インテークパイプから出てきたら、横へ抜き出します。
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キャブが取り出せたら、ワイヤーを外します。

4発エンジンのキャブですが、ワイヤー取り付けリンク部が、かなり奥まったところになります。それでキャブ側のワイヤーは、なかなか外し難いです(^_^;)

 

夏の日中作業ですので、コレだけで汗だくです(^_^;)

 

キャブ内部を点検しましたところ、結構な量の汚れ(恐らくガソリンタンクの錆)が、沈殿していました。

汚い⤵️
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そこで、パーツクリーナーにて洗浄しておきました。

これだけでもひとつのメンテナンス作業になるくらいの量ですが、これは付帯作業ですからね。

 

 

キャブのメンテナンスも終了したら、目的のワイヤー取り付けになります。

 

ワイヤーも取り外して、長さを確認します。

今回は、アクティブ製品の長さ900mmを取付けますが、もう少しだけ短くても良さそうです。

この時点でワイヤーを、スロットルホルダー下部に仮組みしておきます。
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新品のワイヤーを通し終えたら、キャブに取付けます。

キャブにワイヤーのタイコ部を取付ける作業は、難作業で、集中力と手先の器用さが必要
です。

この作業には、手がもう一本欲しい!って思います!

 

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中間部の調整ボルトは、丁度ガソリンタンクに隠れます。

大まかに調整するためのものなので、この位置でも大丈夫です。丁度、スパナ8mmと10mmは入る位置になります。

 

 

スロットルホルダーの取付け向きは、ワイヤー下出しにしたかったのですが、ワイヤーが少し(5センチくらい)長すぎたため、仕方なくこんな上出しとしました。
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先に純正ハンドルスイッチを切断し、改造したものを取付けます。

 

スロットルホルダーの出っ張りに引っかかり、多少は回転しますが、ちゃんと固定されています。
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少し隙間が見えますが、私には許容範囲内です。

 

ワイヤーの遊び調整は、センター部で大まかに行い、ホルダー部で微調整します。

戻し側のワイヤー張り調整は、ホルダーを取付ける前に目で見ながら確実に行いましょう。

 

ガソリンタンク、キャブ、エアクリーナーボックス、バッテリーなどを復旧したら、完成です。

 

簡単そうに見えますが、全体で4~5時間の作業となりました。

夏日に行う場合、水分補給をしながら行いましょうね。

 

(誰も夏の日中にはヤラね~よって、聞こえてきそうです。)

 

試乗した感想
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肝心の乗り心地(操作感)になりますが、インナーパイプの巻取径を33mm→42mmにしたことで、スロットル操作が相当シビアになることを想定していました。

 

走り出してみると意外にも素直な応答性であり、少しの開度の違いでギクシャクするような、シビアなものではありませんでした。

 

エンジン、キャブ周りには、あまり手を加えていませんからね。

少しジャジャ馬っぽく感じるようになったのですが、それでもマイルドなままで、ちょうど良いくらいに感じます。

とは言え、インナーパイプは40mmのほうが私は良かったかな?と思います。

 

ワイヤーの動きは、とてもスムーズで問題なし!

このワイヤー交換が、本当の目的でしたからね。

汎用性を持たせるために、センターにアジャスター用の金属部がありますので、これが原因で操作が重くなる等のネガなコメントが散見されますが、全然気になりません。

 

今回の取替作業は、目的達成のために随分と寄り道した作業でした。

疲れました😰

 

【追記】

3年後にはメッキ金具が錆びてきましたので、錆びないステンレス材に変更することにしました。ワイヤー上出しも変更したいのでDIYタイプの長さを自由に変更出来るタイプとしました。

minow.hatenablog.com

 

 

ステムベアリング点検とグリスアップ

目次

 

はじめに

走る時、曲がる時、止まる時の全てのシーンにおいて、車体の約半分の荷重は、ステム周りに集中します。

その中でもステムベアリングは、高荷重が掛かる状態でも、スムーズに回転しなければなりません。力学的に、とても過酷な箇所になります。

そんなステムベアリングですが、とてもメンテナンスし難い箇所でもあります。

 

そんな重要な箇所と知っていても、面倒臭がりやの私は、ステムナットを緩めて僅かな隙間を作り、そこの隙間からベアリングに向け、スプレーグリスによって吹きかけてきました。

外すのは面倒なんだけど、グリスアップだけはしたい!って方に有効な方法です。(^_^;)

 

コレ、あくまでも給脂が目的であり、点検はステムのガタツキとスムーズな回転のチェックにより、異常ないことを確認した上での話になります。

 

ステムベアリングの引っ掛かりなどは感じられませんでしたので、一度もキチンと点検したことはありませんでした。

今回は点検目的として分解し、脱脂洗浄・グリスアップすることにします。

 

 

前作業

次の前作業は本当に必要?と問われれば、必要ありません。

が、次のフロントアップの方法ですと、力を加えた時に、センタースタンドが滑ってリヤ側に荷重が逃げて、最悪は転倒するのを防ぐことを予防するものになります。

転ばぬ先の杖、程度の作業になります。

 

最初にステムのキャップナット(レンチのサイズは30ミリ)を、分解する前に少し緩めておきます。
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更に、ステアリングステムナットも、少しだけ緩めておきます。

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ほかに、フロントのアクスルシャフト周りを緩めておきます。

前準備が終わったら、分解作業に移ります。

 

分解作業

フロント側を浮かせるために、センタースタンドを掛けたら、リヤを地面に引っ張り固定させます。さらにエンジン下あたりにウマを入れて2重の対策をしておきます。
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フロント側のブレーキキャリパー、フロントタイヤ、フェンダー等を外します。
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この後、フロントフォーク外します。

ステアリングステムに固定されるスピードメーターケーブルのブラケット(細い棒を曲げたもの)も外します。

 

いよいよ、ステアリングステム周りの分解になります。

 

まずは、キャップナットを外します。

ガソリンタンクを外した方が、作業が楽です。ここでも、面倒なので、そのままにしました。

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ハンドルを外すことなく、緩めることができます。面倒臭がり屋の自分には、ピッタリな工具になります。

この絶妙な曲がり具合が、丁度ハンドルポストを避けつつ、ナットに届きます。

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次に、ステアリングステムナットを緩めていきます。

途中からは、手で回していきます。
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ここで使用した引掛スパナは、ネツレン社の45-52mmサイズになります。

これなら、最後の締め付け調整もしやすい!

ステムナットを外していきますと、最後はステムステアリングが下に落ちます。

手は2本しかありませんので、何も対策しないと、面倒臭くて外さなかったハンドル周りが滑り落ちてきます。

その対策として、ステアリングステムの中空部に長めのドライバーを突っ込んでおきます。

突っ込んでおく長さが短いと、外れてハンドルが横に落ちますから、必ず長めのものが必要です。

落ちたらタンクにも被害が出ます。


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これで、ステムステアリングが外れ、下側から抜いても、ハンドルがズレ落ちてくることはありません。

 

上部のステムベアリングは、ハンドルを片手で持ち上げて、ベアリングを取り除いたら、また、ドライバーと一緒に差し込んでおきます。

 

これで、無事に分解し、ベアリングを取り出すことが出来ました。

 

 

ベアリング点検

ロアステムベアリングの状態です。
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グリスは、茶色になっておりましたが、スプレーグリスも少しは行き渡っており、効果はあったようです。

 

ベアリングレースは、こんな感じでした。f:id:Minow:20200826190106j:image


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段差磨耗や、醜い錆びは無く、まずまずの状態でしょう。

これは、スプレーグリスの効果があったことにしておきましょう。

 

アッパーステムベアリングの状態は?


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こちらも、問題なさそうですね。

 

ベアリングは、超音波洗浄にてクリーニングします。
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 入れ歯以外の、こんなパーツ洗浄にも色々使えます。

  

グリスアップと組立

グリスは、コテコテの大盛にして組み上げます。

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ここも、信頼性の高いゾイルのグリスを、隙間に押し込むようにして、塗り付けます。

滅多にメンテナンスしませんからね。

コレでもかって位に、山盛りにしておきましょう。

 

組立は、分解と逆の手順になります。

 

アッパーベアリングとステアリングステムナットをステアリングステムヘッドの下にセットします。また、ドライバーにて差し込んでおきます。

下からステアリングステムの中空部を、ドライバーが入るように差しこんだら、下からステアリングステムを押し上げながら、ステアリングステムヘッドまで差し込みます。

 

差し込み終わったら、キャップナットを急ぎ回し留めます。

 

ここが、もっとも体力と集中力を要する作業です(^_^;)

 

あとは、ステアリングステムナットを手で回せるところまで締め付けていき、引掛スパナにて締込み、ガタツキ無くもスムーズに回る、丁度良い締め込み量を探ります。

キャップナットを、仮に締め付けておきます。


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フロントタイヤの組み付けまで終了したら、本締めして作業完了です。

 

後日走ってみて、再度締め込みを調整し、本当の作業完了となります。

その時にも先のスパナ類があると、調整作業が楽チンです。

 

最後に

ハンドル周りのパーツ等は、出来るだけ外して作業すれば、もっと楽チンです。但し、分解した分だけ復旧作業量も多くなります。

 

私のこんな近道作業は、高リスク要素が多めです。一つ間違うと大事になります。

 

今回は、何事もなく作業完了に至りましたが、たまたま良かっただけで、危険な作業だったと思います。

 

危険な近道作業したと、自覚症状はあります。

  1. ガソリンタンクは外すこと。
  2. ハンドル周りのパーツはできる限り外すこと、もしくは、上に吊り上げること。

が、反省点です(^_^;)

 

ステアリングステムベアリングへのグリスアップしたことと、締込み調整したことによる効果は、体感出来ました。

 

今までもスムーズに、ハンドルは回転していましたが、更に一段上のスムーズさになった感じがします。

これでまた、走ったときの楽しさが増えました。

曲がる度に、ハンドル軽っ!

て、体感しています。

 

ボールからテーパーローラーベアリングに変更し、剛性感アップさせるのが、ステム周りの次の改造となりそうです。

 

ただし、何年後になるか、分かりませんけどね(^_^;)

 

 

このメンテナンス時は、フロント側を持ち上げておく必要があります。

minow.hatenablog.com

門型のスタンドがあると作業性がアップします。

ホイールベアリングのグリスアップと、スピードメーターギヤ(ギア)のオーバーホール

目次

 

はじめに

フロントフォークの分解や改造の度、フロントタイヤを外すことが、多々あります。

私だけでしょうか?年に4回位外すのは?

 

滅多にないのであれば、尚更なことですが、フロントタイヤを外したのならば、是非ホイールベアリングの点検とグリスアップ、メーターギヤの点検を行うことをススメます。

今回は、そんな軽めのメンテナンスになります。

 

ホイールベアリングのグリスアップ

そもそもフロントホイールのベアリングは左右に、ボールベアリングが2つ装着されています。

その材質は、とても錆びやすい鉄ですから、錆びて動きが渋くなっていないか?

それとも、グリス切れて焼き付きそうになっていないか?

磨耗しガタガタになっていないか?など、心配になる要素が多くあります。

 

長年もの間、ノーメンテナンスであるなら、尚更心配になりませんか?

ベアリングが破損したら、走れなくなりますからね。

 

そんな、ホイールベアリングはホイールを外した時に、簡単に点検出来ますし、グリスアップも簡単に行えます。

 

ベアリング横のシール材を、マイナスドライバー等にて外して、中にグリスを少し塗り込むだけですからね。

簡単です。
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シール材の端に、精密マイナスドライバーを引っ掛け、軸中心側に少しだけ力を入れると外れます。
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ベアリングシールを外したら、グリスアップします。

 

ここに使うグリスは、サービスマニュアルでは、スズキスーパーグリスAとなります。

ホームセンターでは、「リチウムグリス」(万能グリス)と表示されていることも多く、身近なホームセンター等にて、入手しやすいものになります。

最も安価に購入できるジャバラチューブに入ったものも主成分は同じです。

が、気分的にデイトナから販売されているグリスを使っています。

 

毎回、クリーニングとグリスアップは行いませんが、乾燥してしまったグリスに潤い与えるくらいの補充をしてあげれば、回転性能が長持ちします。

 

ただの万能グリスよりも、さらに性能の良いゾイルのグリスを、密に詰めておきました。


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ここには、密を避ける必要ありませんからね。

そうは言っても、密過ぎると回転性能は落ちて、重くなりますからホドホドに。

 

以前、ここのベアリングをDIY交換してから、グリスアップを意識するようになりました。

 

ホイールベアリング等のように、強い荷重が掛かる箇所には、信頼性高いゾイルのグリスを愛用しています。

 

メーターギヤの分解とグリスアップ

スピードメーターギヤの分解は、サービスマニュアルには載っていませんね。
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ここを、分解するには、マイナスドライバーにて指す箇所にある溝に嵌まったリングを外す必要があります。


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細いマイナスドライバーを、Cの字の僅かな隙間に入れ隙間を広げ、広がった隙間にもう1本のマイナスドライバーを差し込み入れます。あとは広げるようにしながら、溝からリングを引き出します。


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あとは、ガソリンに浸して超音波洗浄します。

これ、グリスが簡単に溶けてキレイになります。
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最後にパーツクリーナーにて、しっかり脱脂したら、新しいグリスを塗り付け組立ます。

 

ここのグリスアップによる効果は、残念ながら感じられません。

 

数年後にブレーキディスク交換しました。その作業の合間に再度スピードメーターギヤを分解し、クリーニングとグリスアップしました。

minow.hatenablog.com

 

数年度に点検したところでは、あまりグリスは汚れていませんでした。5年くらいの周期でメンテナンスしていけば良いかな?と思いました。

 

フロントアップについて

簡単にグリスアップ出来る箇所ではありますが、フロント側を持ち上げなければ、行えない作業になります。

以前にも紹介しましたが、今回もフロントを持ち上げるのではなくて、リヤ側を地面側に引っ張り、フロントを浮かせました。
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センタースタンドがあるからこそ出来る方法です。

この方法、フロント持ち上げるには、とても楽チンです。

 

注意点ですが、ベルトは必ず金属製のラチェットタイプのものをご使用下さい。

クサビ効果だけで留めるタイプのものは、滑って外れてしまいますから、危険なので止めておきましょう。

使用しているのは藤原産業さんのモノで安価ですが、モノはしっかりしています。

後部を締め付けるだけで、フロント側を上げることが簡単に出来ます。

センタースタンドがあると、何かと便利ですね。

 

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