イナズマ1200整備日記

イナズマ1200のバイク整備と、整備と称するDIYレベルで出来るプチカスタムを行っていきます。そんな記録とキャンプツーリングに必要な小道具類などをDIYした記録、そして旅行の記録です。

油冷GSX-R系オルタネーターの分解メンテナンス【ダンパーゴム・Oリング・オイルシールの交換とグリスアップ(ジェネレーターセミオーバーホール)】

目次

はじめに

過去の記事を自分で調べてみると、以前にオルタネーターを分解点検したのは、もう2年前の2020年でした。時が経つのは早いもので、もう2年前ですか〜

minow.hatenablog.com

以前の点検時、20年以上経過したダンパーゴムはかなり硬い(カチコチ)と感じました。その時は点検が目的で、手元に部品がなかったため、部品交換には至りませんでした。

今回は部品交換を目的として、分解整備をすることにしました。

 

部品購入

オルタネーターのオイルシールやゴムシールは、これまで一度も部品交換を行っていません。

他のオイルシール同様に劣化しているものとし、併せて交換することにしました。

 

部品番号:21231-06B00 ジェネレータドリブンダンパ  必要数4個です。

値段は1個200円程度になりました。
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もしくはダンパーゴムを含むセット 部品番号:31780-03F01 サービスキットB だと1000円ほど。

 

オイルシールとゴムシール部品はセットになったサービスキットAを購入しました。

部品番号: 31780-27X50 サービスキットA

ウェビックでは値段3300円程度でした。

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ヒロチーだと4000円近くします。

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もう次の交換作業は無いと思いますが、オイルシールだけでも交換することがあるかも?と、品番だけ残しておきます。今回はこのセットからオイルシールとOリングを一つ使用したいだけなんですよね。

ではオイルシールの側面を目を凝らして見てみると?

NOKオイルシールの型番は? BE2408E と?

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www.nok.co.jp

そんな型番はメーカーカタログに記載がありません。記載のないオイルシールの型番でした。

耐油と耐熱性能などを上げた特殊な型番なのですかね?

相当品を調べる詳しい知識とエネルギーはありません。ここはスズキ純正品のサービスキットAを購入した方が間違いないですね。

 

ダンパーゴム交換作業

ここから部品交換になります。

と言っても、この交換作業は以前の作業と同じです。

シフトペダルとチェーンカバーを外します。
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バッテリーの端子を外してから、支障となる配線類を外します。(私は乗る時以外は常に外してます。)
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カプラー右側の穴へ、精密ドライバーのマイナスを差込み、爪を押し付けロックを解除してから外します。

 

オルタネーターは、ソケットレンチ12mmにエクステンションを使いボルトを3本外します。
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これでオルタネーターを車体から外せます。
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今の時期はあまり心配いりませんが、虫など入ってほしくないので、念のためウエスで養生しておきます。
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外したオルタネーターの全景です。
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ここから分解がようやくスタートします。

まずはギヤに木片を当てがいながら万力に挟み込みます。
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そして先端部のナットを外します。

ハンドツールで外そうと試みましたが、今回も回すことが出来ませんでした。

予定通りインパクトレンチにて作業しました。

やはりここのナット外すにはインパクトレンチは必須です。インパクトレンチが有れば作業は一瞬で楽にボルトを外せました。
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但し、数年前に購入したコード付タイプなのが少し難点です。

でも、ちゃんとボルトを外すトルクが有り、たまにしか使いませんので、仕様としては合格点以上あります。

 

ギヤを外すと、ダンパーゴムが現れます。

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新品ゴムは弾力があり、対する古いダンパーゴムはカチコチでした。
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ここまでの作業も大変ですが、ここから先の作業がより大変です。

 

まずはギヤプーラーを使い外します。

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テーパーになっていてガッチリと嵌まってますので、プーリー抜きが無いと厳しい作業となります。
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プーリー抜きによりある程度のテンションを掛けたら、ギヤプーラーの頭をプラスチックハンマーなどで軽く叩くと、弾けるようにして外れると思います。

前回同様、顔に当たるところだった!

危ない危ない💦💦💦

前回の作業にて経験したので、2つ前の写真のように、横向きにしてから叩きました。

ハウジングを外すと、部品交換予定のオイルシールが見えました。

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ピックアップツールをオイルシールの内側から奥へ差込み、ピック先端部を外側へ少し捻り、力をこめて引っ張り上げると、簡単にオイルシールを取り外せました。
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新しいオイルシールの内側リップ部には、ゾイルのグリスを塗り、手で押込み組付けました。

手だけで楽に押し込めました。
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あとでローターまで分解するため、このタイミングにてオイルシールを交換しなくても良かったのですが、全分解しなくてもオイルシール交換可能なのか?確認しておきました。

 

ここから先はベアリングのグリスアップのためにケースを割っていきました。

ローターのシャフト部に接しているのはベアリングとカーボンブラシ位になります。まずカーボンブラシを先に外しておきました。
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これでシャフト部に接するパーツは、ベアリング以外になくなりました。再度カバーを掛けて、
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細いマイナスドライバーを差し込み入れて、
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3方向から打ち込み、

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バールを使いこじ開けると

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ケースを割ることが出来ました

どんな作業でも2回目以降となると、とてもスムーズに行えました。

これまでの作業は大変でしたが、この先のグリスアップ作業も大変でした。

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このベアリングの型番は、NSK社の6002DG6 ?
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ゴムのダブルシールタイプ6002に溝が付いた形をしてます。DG6とは特殊な型番ですかね。

通常の6002番だと、外径32mm、内径15mm、厚み9mmですが、このベアリングは厚みが11mmくらいありました。

このベアリングは交換するなら、純正部品を取寄せした方が無難ですね。

ベアリングへのグリスアップ(入替え)のため、まずはベアリングシールを外し、古いグリスをパーツクリーナーにて洗い流し、ゾイルのグリスを詰め込んでおきました。

ボールベアリングのボールのホルダーは樹脂タイプで表面がフラットでした。ボールホルダーがベアリングシールに密着をしてましたので、精密ドライバーのような細めのものでないとシールは外せませんでした。
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反対側を分解するため、150mmのギヤプーラーの登場です。

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プレス設備がないため、邪道ですが仕方なく3本爪のギヤプーラーを使用しました。因みにケースが左右対象部がないため、2本爪は掛けられないと思います。補強されたボルト穴箇所を台座に当て、プレスで押し出すのが正攻法ですね。

この爪の掛け方が何故邪道なのか?ですが、ケースの材質が強度的に脆い鋳物で、さらに一番弱い箇所にギヤプーラーの爪が掛かるため、強い力をかけると欠けたり割れたりしやすいからです。ギヤプーラーを使用するなら、爪が掛かる箇所に力が少しでも分散するような工夫が必要と感じられます。

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ローターがベアリングやケースと固着がなく、すんなり抜けたためギヤプーラーでも可能でした。

あとはベアリングホルダーを外し、ベアリングへグリスアップし、組戻しとなりました。

 

 

写真だけ見ると簡単そうに見える?かもしれません。ゴムやシール材を交換するだけだと侮ってはいけません。小さなパーツの分解ですが、作業には意外と多くの道具や手間が必要なんです。

意外と大掛かりなんです。

 

ギヤを引っこ抜く必要がありますので、ギヤプーラーなどが必要になります。

今回の作業時には75mmのギヤプーラーを使用し、ジェネレータドリブンハウジングを外しました。

 

今回の作業ではローターのベアリングにグリスアップするため、ケースとローターを分離させるため、150mmサイズが必要となりました。

最寄りの工具屋はアストロプロダクツなのですが、比べると少しだけ遠いストレートカンパニーへ久しぶりに行ってきました。そこでギヤプーラーを購入してきました。150mmサイズでも2000円台と格安でした。75mmサイズもストレートにて購入した方が安価ですね。

ギヤを留めるナットを外すには、バイスが必要となります。加えてインパクトレンチがあると楽です。

少し逸れます。インパクトレンチはホームセンターなどで1日500円程度でレンタル出来ます。使用頻度が少ないなら、購入しなくて良いと思います。購入するなら最大トルク300N・m程度あるものを購入しておくと、スイングアームやスプロケット交換などの分解にも使用しやすいです。

最後に

これでエンジン周りのオイルシール交換は半分程度終わりました。

次はスターターモーターを分解してみようと思います。オイルシール交換とベアリングへのグリスアップか、程度が悪ければベアリング交換しようと思います。

 

多くのメンテナンス作業をしてきましたが、どれも楽だと思えた作業ってそれ程ありませんね。

毎日作業しているわけではないので、その都度大変と言うのか? その都度、良くも悪くも一期一会的な思い出が残ってきました。

年間通して振り返ってみると、シーズン中は乗る90%整備10%(オイルメンテのみ)~ オフシーズン中は乗る10%整備90%(重メンテ)くらいの割合ですかね。その変動幅の中でバイクを維持しつつ長く乗り続けて来られたのだと思います。

流石に趣味とは言え、乗る0%整備100%は、今の私にはムリです( ´艸`)

その反対もムリ

それを楽しいと思えるか?苦痛と感じるか?によって、人それぞれバイクと向き合う時間が異なるのだと思います。

 

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