目次
はじめに
イナズマ1200のフロントフォークですが、バンディット1200 (GV77A)のフロントフォーク部品を流用して、ダンパー性能がアップしました。(したはずです。したと思いたい。)
このサスペンションのダンパー仕様の変更は、試乗してみないことには、仕上がり具合が全く分かりません。
何より、リヤサスとのバランスも気になります。
そこで、晴れた平日に朝から準備して、試乗のため、2時間位走ってきました。
プリロード(イニシャル)調整
まず、走る前に乗車時の初期沈み量(イニシャル)調整するつもりでしたが、測定するとバッチリ決まっていました。
そうですよね。
アウターチューブこそ違いますが、今回のフォークの仕様はバンディットの標準セッティングそのものです。
イナズマも同じ位の車重ですから、プリロードも同程度になります。
自分の体重を考慮してプリロードを抜き気味にセットしましたが、偶然にもプリロード調整が合っていました。これは、偶然に過ぎません。
この確認が重要なんです。
何はもとあれ、プリロード調整が出来ていたことだし、早速走ってみることにします。
走り出し(低速時)の感触
まず、走りだした印象として、意外にもフロントタイヤが、以前と比べしなやかに路面に吸い付くように転がっていきます。
これは良い!
カートリッジイミュレーターの時は、バネに押さえられたバルブが開いたり閉じたりと、切り替わる感触があったのですが、現在の仕様は、とてもスムーズに動きます。
中速以上の感触とセッティング
走り出しの感触が良かったので、ここからは低速から高速までのフィーリングを確かめるべく、とにかく走り、リヤサスの減衰調整をしていきます。
伸側の減衰調整を1クリック変更したら、暫く走ってみる。
また1クリック変更したら、また走るを繰り返し、最適化を行っていきます。
リヤサスの調整箇所の変化が分かりやすいよう、ほぼ同じ道を往復し行います。
そんな変更と確認を繰り返すこと3クリック目にして、前後のサスペンションの動きがシンクロし、もの凄く安定しました。
4クリック目の変更を確認しましたが、少しズレが生じましたので3クリック目に戻すことに。
最後に味付け程度に圧縮側を調整してみます。
これだけの試乗で1時間位を要しました。
フォーク改造の総論
サスペンションのセッティングを、味付けで例えると、伸側調整が塩加減、圧縮側が胡椒などのスパイスって感じです。
塩加減がバッチリ合っていてこそ、スパイスによる味付け香り付けが活きます。
スパイスだけでは美味しく有りません。
そして、塩加減なんて人それぞれ好みがあるので、答えは1つでは有りません。
ただし、答えは1つでは有りませんが、許容範囲ってものはあります。
許容範囲も高速と低速レンジがありますので、どちらに対しても最適化させていきます。
最後の細かな調整は、現仕様では出来ませんので、妥協点として良いバランス点を探すだけです。
しかし、人間(私)の怠慢な心が邪魔をしてきます。最後は面倒臭くなってきて、早く終わらせようと働きかけてきます。コレで良いのではないかと、思い込みが強くなってきます(笑)
そこで少し間を置き(疲れたから休憩したってことね)、路面の凸凹した箇所を選んで走ってみましたが、とても安定感がありました。しかし、ちょっとゴツゴツ感は残っています。
まだ圧縮側ダンパーが少し強すぎ?→フォークオイルが固過ぎ が原因ではないか?
フォークオイル#10ではなく、柔らかめなカートリッジ専用オイルに変更したほうが、もっと動きがよくなるだろうと思われます。
もしくは、動き出し時にバネの硬さや、フリクションが原因ではないか?
ても、満足出来るレベルに仕上がっています。
プリロードや反発力は丁度良い感じなので、スプリングと油面は暫くは、このままとします。
後日の再試乗時の感触
前回のセッティングは、最後の方で感覚が麻痺(怠慢)してきましたので、早めに切り上げてしまいました。
そこで、前回試していなかったセッティングを確認してみました。
リヤサスの伸側ダンパーを、もう一度1クリック抜く方向、圧縮側を1クリック増やす方向にしてみたところ、低速側も乗りやすくなりました。
少しだけ高速側でフワフワ感が出るようになりましたが、低速~高速までバランスよく安定感が出せたかな?
もう少しフォーク側を調整し、更に良いバランス点を探っていくことにします。
リヤサス側で調整していくと、ヤマリンズでは最も締め付けたところから伸側減衰を7クリックか8クリック戻しあたりが乗りやすい位置です。
最後に圧縮側で微調整したら、セッティング完成です。
最後に
イナズマ1200フロントフォークのダンパー改造は、乗り心地と安定感が格段に良くなるため、オススメします。
特にバンディット1200のダンパー流用は、比較的安価ですが、乗り心地と安定感がグンとアップします。
最近のバイクなら、ノーマル状態のレベルが高いため、こんな改造をわざわざ行わなくても良いのでしょうが、古いバイクほど効果を感じられる改造だと思います。