目次
はじめに
イナズマ1200とは、車体自体がマイナーなのですが、それら構成するパーツもマイナーなものが多いんです。
最も汎用性の高そうなブレーキのマスターシリンダーやレバー周りも、残念ながら専用品となると皆無となります。
このあたりは販売台数や販売期間に比例しますので、仕方ないところです。
今回は、いや今回もですが、フロントブレーキのマスターシリンダーオーバーホール時期となりました。そこで純正品にて単純なオーバーホールとするか、メジャーな車種から部品を流用するか悩みました。
(以下、マスターシリンダーは省略し、マスターと言う)
最終的にはブレーキのマスターを他車から流用し、取り替えることにしましたが、クラッチのマスター取替え作業とあわせ、色々な問題(壁)にぶち当たっていきました。
以下に経緯を記載しておきますが、読み飛ばして下さい。
その後に続く、交換作業がメインになります。
経緯
フロントブレーキのマスターシリンダー内部に使用されるゴム類ですが、使用しなくても経年的に劣化していきます。
イナズマは製造されてからもう20年以上経過します。
その間にこまめにメンテナンスしてきました。いや、してきたつもりです。
大掛かりな作業は、10年前にゴム類を全取替えしたことです。その時にマスターシリンダーをオーバーホールし、ピストンゴム等も交換しました。
そんな大掛かりなオーバーホールをしてから、早くも10年経過したところで、再度ゴム類の劣化が見受けられるようになりました。
ブレーキのマスターをオーバーホールするために必要なピストンゴム部品ですが、アッセンブリ交換になります。
その金額は、おおよそ2500円程度になり、蓋のダイヤフラムゴム交換と合わせると3000円は越えます。
それでもトータルコストからすれば、単純にオーバーホールした方が安価になります。
最初に述べましたように、オーバーホールするはずだったのですが、マスターシリンダー自体の外観の劣化具合や、レバー類のカスタムの選択肢が無さすぎることから、交換することにしました。
さらに、他車種にてメジャー装備されます新品未使用のマスターシリンダーが、格安で入手出来てしまったこと(注※)から、取替えることにしました(^_^;)
注※印 : 取替えを前提に購入したことの言い訳に過ぎません(^_^;)(^_^;)
どうせマスターを取替えるならと、横置きから縦置き(ラジアル)のタイプへ変更するこたにしました。
一般的にはラジアルタイプのブレーキマスターと言えば、バイクパーツ販売店でもガラスケースなどに展示された高性能なカスタムパーツです。その王道とも言えるブレンボなどの高額品を連想します。それは半透明な別体式タンクやレバーなどもカスタム出来て、デコレーション要素ぎ満載な仕様です。
そんなデコレーションカスタムは好みではないため、今まで敬遠してきたところになります。
パっと見は、純正?
でも、良く見ると改造してあるような、そんな地味な改造(カスタム)が好みです。
そんな好みにマッチしたタンク一体型ラジアルタイプが、アドバンテージから以前より販売されていましたが、ゴム類を交換するオーバーホールした直後だった為、取替するまでには気持ちが揺れませんでした。
それが今回は、アッサリと揺らいでしまいました。
それは、これまでもマイナー部品(バイク)であることは自覚しておりましたが、それでもレバー類などの消耗品に類するようなパーツは、比較的購入しやすい環境でした。
それが、最近はパーツ用品店などにストックされていない!
他の趣味に没頭していたため、バイク部品を見ることも、購入することもなかった期間がありました。
そのため感じなかっただけでしたが、こんな寂しー事態になっていたんですね。
そもそも、予備部品をストックしていますので、販売コーナーを見ることがなかったこともあります。
同じく同年代に活躍した兄弟車のパーツも在庫されなくなってきましたね。
とうとう年代を感じるようになりました。
そこで、ブレーキのマスターは、多くの車種に搭載され、長い期間販売されているメジャーなパーツに変更することにしました。
交換準備
交換のため購入したブレーキマスターは、スズキ B-KINGの縦置き(ラジアル)タイプです。
オイオイ、またまたマイナーな車種を選びましたね(笑)
それが、このブレーキマスターですが、合わせるレバーはGSX-750やGSX-R1000などに2005年位から現在に至るまで搭載されてきた共通パーツを採用しておりますので、汎用性の高いメジャーなパーツと言えます。
このラジアルポンプのサイズは、3/4サイズ(Φ19相当)になります。
純正品は横置き5/8サイズになりますが、デイトナ社から販売されますニッシンのマスターも、ラジアルタイプだと3/4サイズが互換性ありと記載されています。
何と言ってもイナズマ1200より大きい排気量1300クラスに搭載されたパーツですから、サイズ感(効き具合やブレーキタッチ)は問題ないはずです。
ここで問題点を強いて言うなら、私に腕前が無くて、性能を持て余すことですかね(^_^;)
ところで、ブレーキマスターの交換作業について、何か問題ありますか?
→ マスター自体に問題は有りません。
それは、マスターのみ購入したことが問題だったんですね。
そうです。
マスターだけでは使い物になりませんよね。
レバーはどうする?ってなります。
レバーの購入にあたり、色々選べるようになって、良いじゃない!って、なります。
が、それらを繋ぐピボットシャフトが無ければ接続出来ません。
そんなピボットシャフトを購入するにも、そのパーツのサイズって色々有るけど、パーツ販売店では、どれを買えば良いの?
ってなります。
そこで、先ずは寸法計測します。
ピボットシャフトの長さは?
22-23ミリってところです。
ピボットシャフトの太さは?
8ミリです。
そして、固定ネジ部はM6サイズです。
うーん、これはホームセンターなどにて販売される一般的なサイズでは有りませんね。
M6サイズのボルト、外径8ミリ内径6ミリのパイプ材から作れますね。
社外品でピボットシャフトが販売されていないかと検索しますが、こんなサイズ販売されてます?
このラジアルタイプのマスターって、全取替えするか、純正レバーだけ取り替えるカスタムの2択なのでしょうか?
ピボットシャフトをカスタムすることは少なそうですね。
デイトナからも補修部品すら出ていません。
社外品として販売されていないなら、純正品として購入するしかありません。
結局、探しても無いじゃないか。
ここは、大人しく純正品を購入することにします。
SUZUKI 品番[ 57431-29G00 ]
ピボットレバーボルト
販売価格 ¥344 (税込)
それが、コレ
SUZUKI 品番[ 57433-09F00 ]
ピボットレバーナット
販売価格 ¥104 (税込)
このナットは、ホームセンターなどで一般的に販売されますM6で十分です。
こんなナットが販売されていますが、残念ながらこの日はM6サイズだけ売り切れでした。
レバーはと言うと、ヤフオクで格安に購入できました\(^-^)/
クラッチレバーと2本で、なんと2000円台です。安っ!
純正ルックが好みの私でも、値段には負けました。
商品説明には、三流品とありましたので、本当にクオリティーが低ければ予備品にするつもりでした。
が、意外にも良いです。
コレ、ちゃんと使えます。
コスト的に純正より安く、クオリティーは純正より高いです。
レバーについて、何か問題ありましたか?
→ 問題ってことではなく、こちらは稀なトラブルでした。
たまたま出品者さんが、間違って他の商品を送ってしまい、交換するまでに時間を要したことですかね。
トラブル時の対応には、人間性が出やすいですが、とても良い対応をして頂きました。
なので、このレバーは予備品でなく使用することにし、さらに予備品としてリピート購入することにしました。
これは、気に入りました。
まずまずの出来栄えと品質です。
ここで、マスターをひっくり返した画像をいれます。
ブレーキスイッチはどうするの?ってことになります。
答え: 純正品がそのまま使えます。
よって、配線(コネクター)の改造は必要なさそうです。
(部品の共通化を国内、そして世界でも統一化していって欲しいものです。)
スイッチ周りは、クラッチ側は問題ありましたが、ブレーキ側は問題なし。
これならブレーキ側は楽々交換ですね。
ところが試運転時に、ブレーキスイッチとレバーとのクリアランスが広くて、スイッチが押せない状態になっていました。
ここにはレバー側に少加工し、対策してあります。
レバーがどこまでも前側に出ないよう、マスター側と干渉させ止める箇所になります。ここが少しだけ干渉し過ぎて、スイッチを押せない状態でした。
そこで、干渉する箇所をヤスリで少しだけ削り、調整しました。
ここは、外部からは見えない箇所ですので、気にしなくても良い箇所です。
単なる交換作業でしたが、上手くはいきませんね。そんな時、対応力が必要になります。
自己流の改造にはつきものです。
取付前の採寸
部品購入の準備は進むなか、取り付けに必要なクリアランスは、ちゃんとあるの?
それが、ビキニカウル(ブラスター2)とのクリアランスが厳しい!
これは、当たりますね。
ハンドルを後方へオフセットさせる?
カウルを少し削る?
ハンドル交換する?
何かしら対策が必要になりそうです。
こうなってくると、タンク一体型はクリアランスの確保が必要になりますから、ここはデメリットですね。
タンク別体型の方が、取り付け位置変更できるメリットがありますからね。
ブレーキホース接続部のワッシャー購入してきましたので、いよいよ取り付け作業に進みます。
交換作業
純正ブレーキマスターを外して、新しいブレーキマスターを取り付けてみます。
上下のボルトを締め付けていきます。
すると、パチッんって高めの音がしました。
冷えたチョコレートを割った時の音がしたんだけど?
あちゃー( ;∀;)
ミラーホルダーがキレイに真っ二つに割れちゃったよ~。
アルミニウムの鋳物なんで、強度が弱く脆いですからね~。
さらに、軽量化の為なのか、横幅細くて薄肉になってますからね。
施工は、上下均一に締め付けず、上を締めてから下を締めたことが間違い?だったんですね。
ヤっちまったな~。それにしてもキレイに割れたな~
一先ずは、イナズマの純正品でも付けておきますかね。仕方がない。
ハンドルを手前に寝かせて、クリアランス確保!
位置を決めたら、ブレーキホースを取り付けます。
新しいワッシャーと交換して、バンジョーボルトを回します。
あれ?入っていかない。
コレ、ブレーキ周りのネジあるあるだ~。
ネジピッチが違うのね?
そうです。ネジピッチが異なりました~。
って、ネジピッチなんか、早く統一規格にしてくれよ~💢
ブレーキホースをしっかり繋ぎましたら、ブレーキフルードをタンクに注ぎます。
あとは、レバーをゆっくり何度も握っては放すを繰り返します。
ブレーキホースの上側だけ外しましたので、ブレーキキャリパー側からエア抜きは行いません。
エアーはホース上部だけで、ホース下部やブレーキキャリパー側にはフルードが満たされていますから、エアーが入っているのは、タンク下部のピストン部とホース上部の極一部だけ。
レバーを軽く操作しながらエアーを抜き、ホース上部のエアーをフルードを置換し満たすだけで、エアー抜きは完了します。
時折、ホースを軽く叩くと早くエアーが抜けます。
飛び散ったフルードを水で洗い流し、水を拭き取り、ブレーキスイッチをイナズマブレーキマスターから移植し、コネクター配線したら完成~。
って前に、
アルミ削り出しされた高強度パーツを、近くの店からパーツ購入してきて、即交換しておきました。
レバーを引いた感じ、引いたストロークとキャリパーのピストンの動きが、リニヤに動きます。
これならブレーキの感触が掴み易そうです。
ブレーキマスターをラジアル化し、性能アップ出来ました。
また、今後の部品調達面も良くなりました。
また10年は安心して乗れそうです。
試乗後の感想
ストップ&ゴーをしてみて、直ぐに違いが分かりました。
絶対的な制動力は、ローターやパッド交換しない限りは変わりませんが、コントロール性能がアップしています。
停止するまでに指先で微妙な力加減をし、制動力を調整しますが、その範囲が広い!
って感じです。
ブレーキタッチの感触が滑らかになった、と言うのか?
ノーマルのカックんとした感触が無くなり、ブレーキ初期から最後までスムーズにレバーを握れます。
コントロール性能のアップです。
ブレーキマスターの交換によって、ブレーキを掛けた時の安心感が、一段階上がりました。
単純なオーバーホールでも良いのですが、ラジアルポンプのブレーキマスターはオススメです。
ブレーキレバーの共通車種の覚書き
今回の流用したB-KING (GK71A/GK71B)のブレーキマスターシリンダーに合うレバー(純正部品番号、57300-29G01)について、共通する他車種は以下
【スズキ】
GSX-R600(2004~2015年)| GSX-R750(2006~2015年)| GSX-R1000(2005~2017年)| GSX-S1000(2015年~)
【カワサキ】
NINJA ZX-6R(2005~2006年)| NINJA ZX-6RR(2004~2005年)
ですが、車種の型番が分からないと適合検索が難しいため、以下も書き残しておきます。
・GSX-R1000(B6121/GT77A/GT78A) K5/6/7/8/9 L1/2/3
・GSX-R750(GR7LA/C4111) K8 K9 L1/2/3
・GSX-R600(GN7CA/GN7DA/GN7EA) K4/5/6/7/8/9 L1/2/3
・GSX-S1000/F(GT79A)
ブレーキのピストンカップセット 部品番号 59600-17810
ここに書き残しておけば、今後の消耗部品の検索に役立つはず