目次
はじめに
今回は購入したGIVI SB2000 サイドケースの汎用ホルダーを取付けたいと思います。
その前におさらいとして、過去に記載した下の2つの記事をダイジェストしておきます。
購入したホルダーの大きさは、おおよそ紙のA4サイズになります。
サイドケース用ホルダーを取付けするにあたり、ステーをゼロから製作するのはとても面倒なため、まずはイナズマ用のパニア(トップ)ケースのフィッティングを取付けることにしました。
そのフィッティングをステーとして利用し、サイドケース用ホルダーを下の写真の位置あたりに取り付けたい!というところまでが、前回までの話になります。
それでは、ここから取付け作業を開始します。
取付作業
仮組
まず、過去使用してきたワイズギアのマルチキャリアの横方向の張出し量を参考にするべく、おおよその寸法を計測しておきます。
リヤフェンダーからこれくらいの位置になります。
今更ですがグラグラした甘い固定であった割に、かなり車体に寄せた距離感でしたね。
シートに少し沿わせるように設置しておりました。
そりゃ~左側のリヤサスと干渉しても当然だわね。
今回は、ガッチリとした固定を目指しますので、クリアランスギリギリを狙った寸法に仕上げていきます。
張出し量を測ってみたところ、おおよそステーから5cmオフセットさせれば、取り付けられそうだと分かりました。
そこで、ホームセンターより購入し用意した主な材料はこちら。
このステーはホルダー下の前方に使用します。
横張出し(車体からのオフセット)を左右するM8ロングナットは、長さ50mmとしました。
M8ロングナットの太さなら、荷掛け用のゴムネットのフックも掛けられそうです。
仮固定に用いたボルト長さは90mmと80mm。
万が一ボルトが折れてしまっても、入手しやすい材料にしておくと、対処しやすいですからね。
他にワッシャーやロックナットなど用意して、これらを下のような形に組んでおきます。
この状態にしたら、あとは車体に取り付けるだけです。
取り付けた後、クリアランスの確認です。
テール側から覗く右側のクリアランスはこれくらい。
まずはオフセット量は、安全サイドから試してみました。
車体(シート)からは、20~25mm位のオフセット量となりました。
右側だけを見る限りは、あと10~15mm寄せても良いかな?
ホルダー下の後側のボルトナットは、こんな感じで取り付けました。
50mmロングナット+ロックナット高さ分だけオフセットさせました。
これならクリアランスは問題なさそうなので、余分なロックナットは外してもいいかな?と思います。
ホルダー下の前側固定は、こんな具合に取り付けしました。
こちらは穴の位置が合わなかったため、ステーを使いオフセットさせました。
右側のサイドケースを取付けるとサイレンサーとの干渉が気になりますが、それは心配無用です。
ちゃんと1.5cmくらいクリアランスを確保することが出来ました。
真上から見てみますと、こんな感じ。
サイレンサーと面一と言うのか平行にしてあります。
やはり、全体的にオフセット量は少し余裕がありますね。もう少し(10mmくらい)だけ、内側に寄せられそうです。
サイレンサーと反対の左側は、こんな感じ。
車体からのオフセット量は左右同じとしています。
まずまずの取り付け状態ですね。これだけで固定状態はガッチリし、グラグラしません。
ここでイナズマのリヤサス取付け位置について触れておきます。取り付け位置は左右対称ではなく、チェーンがある左側は数cmオフセットされています。
そのことで、車体の左側のほうがサイドケースとのクリアランスが厳しくなります。
まずはホルダー取り付け位置のオフセット量を左側にて決めておき、右側も同じとしました。
そんな事から、右側のオフセット量が少しだけ多いかな?と感じられると思います。
右側のクリアランスをギリギリにするならロングナット30mmでも良いと思います。
補足
右側のオフセット量について、30mm も試してみました。
M8用のアルミカラー30mmにて、取り付けてみると?
本当にギリギリ!
ここまでギリギリでなくても良いですね。
あと10mmくらい張り出したあたりがちょうど良さそうですね。
と言う事は、ロングナットの長さは40~50mmがベストかな?
因みに左側はオフセット量30mmだとリヤサスと干渉します。50mmでもクリアランスはギリギリだと思います。いや、ギリギリでした。
車体側へ寄せすぎることは危険なので、イナズマに限っては50mmのオフセットまででやめておきましょう。
ここで30mmのアルミカラーは、無駄に購入したわけではありません。のちに行うボルト類のステンレス・アルミ化において、テーパーワッシャーとして切り出すための材料となりました。
鍵穴まわりの干渉チェック
ホルダーのオフセット量ばかり気を取られていてはいけません。
左側には干渉しそうな箇所が、リヤサスだけではなく、カギ穴もあります。
カギが回せないような配置としたのでは、シートを開閉出来きなくなってしまいます。それでは大変困ります。
ここのリブは固定に使用しないので、最悪干渉する箇所を削るつもりでしたが、ちゃんとカギ穴を避けて設置出来ました(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
カギの開閉操作は、本当にギリギリでしたけどね。
カギを開閉するためには、サイドケースを外さなければなりませんが、ワイズギアのマルチキャリアは全て外さなければならなかったことからも、操作性(仕上がり)はグンと良くなりました。
先日にヘルメットホルダーをハンドル周りに設置しましたが、それはフルパニア化により、シート下のヘルメットホルダーが使い難くなることから、変更したところになります。
タンデムステップまわりのチェック
取付けた位置は、当然2人乗り用のタンデムステップまでの空間も確保してあります。
2人乗りが可能な仕様となっています。
ウインカーとの干渉チェック
ここは狙い通り、ギリギリでした。
わずか数mmのクリアランスです。これでは振動などによって当たると思います。
100円ショップなどでも販売される、椅子の脚の下に貼り付けるフェルト等で養生しておきます。
ここのクリアランスはとても厳しいです。タンデムステップ側(前側)を、出来る限り広くスペースを取ると言う事は、反対側であるウインカー周り(後側)はギリギリにするしかないって事ですからね。
私はヤマハの純正ウインカーに変更していますので、たまたま干渉しなかっただけです。
イナズマの純正ウインカーだと、間違いなく干渉しますので、小型なウインカーに変更するか、場合によってはウインカー移設が必要となります。
オフセット量の変更
オフセット量を減らし、サイドケースを取り付けた状態の車幅を少しでも抑えたいので、何度も組み直しながら改良しました。
10mmほど車体側へ寄せたかったので、ロックナットを無くし、ワッシャー枚数を調整し、オフセット量を減らしてみました。
微調整した右側は、こんな感じ。
平板のステーを外側にして、ホルダーを車体側に数ミリ寄せました。
左側も右側と同じく
特に気をつけたい箇所は、この左側のリヤサスとのクリアランスです。
ここはボタンキャップボルトに変更しましたが、それでも写真のとおりギリギリなのが、分かりますか?
ロングナットに挟むワッシャーを1枚足して調整しました。右側は2枚ですが、左側は3枚にしてあります。
ここは、特に気をつけて下さい。
こんな頭の低いボルトなどを使うことになります。
私の取り付け方ですと、ボルト長さにも気をつけないといけません。15mmがちょうどベストでした。
20mmだとサイドパニアケースと干渉して取り付けられませんでした。
今回の取り付けで、最も知りたい寸法はホルダーの外側~外側でしょうか?
取り付けたホルダーの外寸法は、420mmでした。
今回の取り付け(クリアランス調整)ですが、2日かけてようやくベストな位置を探し出すことが出来ました。
2日も時間がかかってしまった理由は、異なる長さのボルトを揃えるため、何度もホームセンターに通ったからです。そこでは、さらに余計なことを考えてしまいました。さらなる改良として、ステンレスボルト・ナットに変更することも考えてしまい、ホームセンターの売場で悩み過ぎてしまったからです。
まずはシンプルに安価なユニクロ材で仕上げておき、あとからステンレス材に置き換えていくようにしておけば良かったと・・・
割りきるまでに時間がかかってしまいました。反省ですね。
ホルダー上部固定用のステー製作と取り付け
ホルダーの下側を2箇所固定しただけなのですが、シッカリとした固定状態にすることが出来ました。
上部は補助的な固定(振れ止め程度)となりますが、グラブバーの固定ボルトからステーを取り出していきます。
具体的には、ここのスポンジの切れ目の隙間から、ステーを出していきます。
シートを外すと、このようになっていますから、何とかなりそうです。
ここからステーを、こんな感じに出していきます。
そんなステーですが、現物合わせで曲げて製作しました。
ビミョーに角度をつけて、下に90度曲げなければなりません。
曲げる設備など勿論ないので、手で曲げます(汗)
このステーの板は、板厚5mm幅25mmもありますので、冷間で曲げ加工するのは大変です。
もちろんバーナーで炙り、曲げやすくはしますが、大変な作業になるんですね。
付属品のステーが良いことは、穴が開いていることで、強度は落ちますが加工がしやすいですからね。
このステーはGIVIのホルダーの付属品が、沢山余っております。まだ1本も使っていません。
曲げ加工に失敗はつきものです。何本かの失敗も想定しております。失敗しても数撃ちゃ当たるでしょう。
その前にグラブバーが少し斜めになっているので、ステーが少し浮いてしまい、真っ直ぐに出せません。
そこで、グラブバーを外すまえに、このようにマーキングしておきます。
まさかと思う方もおられるかもしれませんが、そうですよ!グラブバーの一部を少し削りました~。
これで5mmのカラーを挟み込めば、真っ直ぐにステーが出せるようになります。
削った箇所のですが、他にも塗装が剥がれておりますので、作業の最後にグラブバー全体的に塗装します。
勿論、フラッシュシルバーメタリックです。
グラブバーの一部を削ってしまい、もう元に戻せない状態にしてしまいました。
再塗装してみて、車体に取り付けてみましたが、それほど気にするほどではありませんでした。
ヤフオクなどから中古購入するつもりでしたが、取り止めました。
使用したステーですが、こんなサイズです。
この黒色のステーは、GIVI SB2000の付属品です。
このステーを使い曲げると、ホルダーまでの距離は、計算上はほぼピッタリなんですね。
すでに先端が20mmオフセットしているので、グラブバー固定ボルト穴から80mmくらいの位置で、僅かに角度をつけて90度曲げていきます。
3次元的に曲げなければならないため、とても難しいんです。
実際には図面で書くように、鉄はキレイに曲がりません!
図面通りに曲がらないので、少しショートさせ、間にカラー入れることや、更にホルダーまたはステーを少し長穴にして合わせるなど、加工の調整代を十分に残し加工していきました。
左右2本曲げる加工のうち、3本失敗してしまいました。加熱不足の状態で強引に曲げたため、鉄が割れてしまいました。
四苦八苦しながらも、何とかバーナーで加熱して曲げて、ステーを製作することが出来ました。
それでも5本を曲げ加工トライして、左右2本何とか形にすることが出来ました。
家庭用のカセットガスを用いるイワタニのバーナーを使用しました。
焚き火での着火に使用すると、とても楽チンなアイテムですが、鉄を曲げるために加熱することにも使用出来ました。
少し火力が弱いため、真っ赤になるくらいまでの加熱には、それなりに時間を要しましたが、それなりです。
製作したしたステーを実物に取り付けてみますと、こんな具合にピッタリ!
ビミョーな角度修正が難しかったため、5°のテーパーワッシャーを間に入れて調整してあります。
仕上げ塗装を行っていない仮組状態なので、この写真では蝶ナットを使っていますが、本格的に使用するときは緩み防止ナットを使います。
シートを取り付けてみると、このようにシートとの隙間を、ステーが干渉することなく取り出せました。
曲げるため加熱し剥がれたステーに塗装しておきます。
塗装する前に、全てはがしておきます。
塗って数分して塗装が軟らかくなったら、スクレーパーで荒々削り取り、ワイヤーブラシでゴシゴシし取り除きました。
この除去作業だけで1時間費やしました。
塗装は薄くスプレーし、硬化を待ってまたスプレーと、両面を何回も繰り返し仕上げました。
安価ですが錆びやすいユニクロ材を使い、ステーを製作しましたが、 やはりボルトナット類は錆びにくいステンレス材に変更したいと思います。
ここからは少しずつ改善しながら使用していきたいと思います。
改良(ユニクロ材のステンレス・アルミ化)
キチンと取り付けられましたので、ここからは改良していきます。
使用したユニクロ材はすぐに錆びますので、入手しやすい市販品は出来る限りステンレスやアルミ材に交換していきます。
ボルトやナット、テーパーワッシャーはステンレスタイプに交換するだけです。
ステンレス材のテーパーワッシャーは、ホームセンターでは販売していない可能性が高いと思います。これはネット購入したほうが早いですね。(きちんとステーを曲げることが出来れば不要な部材となります)
そしてオフセットさせるために使ったステー材は、このステンレス UBプレート 6×25×45に交換しました。
実店舗からの入手として一番の難関は、M8の長さ50mmのロングボルトではないでしょうか。
こちらはなかなかホームセンターで店頭に並んでいません。
こちらはネットで600円/本前後で販売されています。
材料が揃ったら、ユニクロ材から交換するだけです。
ユニクロ材でも使用可能ですし、これを見れば最初からステンレス材を購入し、取り付けられると思います。
ここで、テーパーワッシャーとスプリングワッシャーの厚みを計測してみます。
6mm位あり、結構厚いんですね。
手曲げ精度が悪かったのですが、ステー側に長穴加工してしまえば良いだけではあります。
が、そんな逃げる加工は不要です。
アルミ材でテーパーワッシャーを自作します。
このようにバイスで固定したM8用のカラーに少し斜めの線を書いておきます。
あとは、切るだけ。
切り口を磨いたら、自作テーパーワッシャーの完成(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
これで全てのパーツが揃いました。
最後に
ツーリング仕様と呼べるよう、積載量サイド(22L×2)とトップ(37L)のパニアケースを取り付けすることが出来ました。
積載量だけなら80L超えるロングツーリング仕様にすることが出来ました。
最後にはなりますが、ここで強度的な話をしておきます。
サイドとトップのパニアケースとホルダーやなどの全部の重量は、たかだか左右2本づつの合計4本のM8ボルトで固定されたGIVIのフィッティング材に、全て託されている構造となっております。
ここが強度的に最も厳しい箇所になると思います。
ここをこまめに点検していく必要があります。
これを真似される際には、くれぐれもパニアケース内へ搭載する重量は、配慮して下さい。
自分で言うのも何ですが、強度的にはとても弱い固定方法ですので、過積載しないようにしましょう。
長時間の過積載は、ボルトかナット部が破断しぶっ飛びますよ。
最近は海釣りをする機会が多く、バイクから少し離れておりましたが、約1年前からメンテナンスとカスタムを充実させてきました。
メンテナンスを充分に行ってきましたことから、不具合も少なくなりました。
この状態であればツーリングへ出かけても、存分に楽しめるレベルにはなったかな?と思います。
来年あたりにバイクの高速道路通行料金の大幅な見直しによる値下げが実施されるとの噂(政府の検討)があるようです。
料金体系が、現状は自動車の80%ですが、これが50%になるとかならないとか。
この値下げは、ツーリングを再始動する良い追い風となりそうですね。
まだ本格的ツーリングに向けた準備作業を進めていきます。
少し時間をかけてツーリング用テントを選定し、購入していきたいと思います。
10年近く使用していないので、防水性を高めるためのシームテープはダメになってしまっているだろうから、更新しないといけませんね。
テントを張るためのステンレス材ペグハンマーは、先に自作し準備してあります。準備は着々と進めています。
イナズマにサイドパニアケースを取付けたい場合、購入出来るGIVI SB2000 汎用ホルダーと、サイドケースE22 を新品購入すると3万3千円超となりますが、値段相当の快適性が得られるのではないでしょうか。ただし、取り付けるためのステーの製作は、それなりの手間がかかると思います。
後に九州ロングツーリングへ無事に行けました。
やはり雨に強いパニアケースは、ロングツーリングに良いアイテムですね。