目次
はじめに
この記事は以前、エアーフィルターを変更した時、同時に書こうと思いましたが、キャブ調整って地道な作業の割に見映えしないし、効果が伝わり難いので、後回しとしました。
それに、エアフィルター交換とキャブ調整、マフラー交換とキャブ調整はセットで行うことが当たり前だと思っているのは、私だけ?と。
更に、キャブレターのセッティングについてですが、吸気排気系へのカスタムが異なれば、それぞれ異なりますので、他の方にはあまり参考にならないと考えておりました。
しかし、エアーフィルターの紹介をしておきながら、それとセットとなるキャブレターセッティングの話が抜けていると、誤解を招きそうなので、遅くなりましたが思い直し、書いておこうと思います。
キャブレターセッティングは、地道な作業の積み重ねの上に成り立ち、そしてとても地味な記事にしかなりません。
華やかさは全く有りません。
そこで、記事はほぼ苦労話の文章となりますので、タイトルは苦労話としました。
吸気排気を変えた分だけ苦労します。
DIYレベルなら、大きく変えないことが身のためです。
パイロットスクリューの調整を、ノーマル状態で出来るようになってから、ジェットの番手変更を挑んだほうが、作業の遠回りしないと思います。
作業の苦労話
エアーフィルターを変えた場合、燃料側(キャブレター)を調整することになるのですが、主にスロー~メインジェットのジェット類とパイロットスクリューの3つを主に調整することになります。
それぞれのジェットが主として担う範囲と、それらがラップする代を調整するのですが、変えにくいジェットニードルのテーパー具合に左右される部分があるので、本当に難しいですよね。
メインジェットはスロットル半開から全開を辺りで主役になりますが、半開付近に至る前の脇役の時に、悪役にもなります。
他の脇役が邪魔する時もあって、なにが悪いのか見極めるのが難しいです。
ノーマルキャブレターの調整幅について、調整範囲は狭いのですが、大きな吸気排気の変更をしなければ、ノーマルキャブレターの調整範囲内でも十分に楽しめる設定にあると思います。
キャブレターのセッティングは、他の調整箇所と一体となり、結構ピンポイントで探らないといけませんね。
突き詰めていく作業ですが、最後は妥協です。
この作業って、知力を使う作業です。
キャブレターを外すまでには、シート、ガソリンタンク、サイドカバー、バッテリーケース、エアクリーナー、スロットルケーブル周りの分解作業を伴います。
こんな骨が折れる作業を、何度も繰り返すことになります。 こちらは体力使う作業になります。
言葉では単にセッティングと一言で表しますが、このような知力・体力を使った作業が伴います。
とても容易な作業ではありませんが、その割に得られるものは、だだの自己満足に過ぎません(笑)
このセッティング最中に排気側も変更(マフラー交換など)してしまうと、訳が分からなくなります。
私は、なりました。
そして最後は、吸気も排気もキャブレター内部も、乗りやすいノーマルにとても近いマイルドなモノになってきました。
イヤ、表現が正しくない、しました。です。
純正キャブレターの主な仕様
型式 : ケイヒン CVK32
ボア径 : 32mm
メインジェット : #92
ジェットニードル : N2NR
スロージェット : #35
スタータジェット : #58
メインエアジェット : #50(打ち込み)
スローエアジェット : #170
パイロットスクリュ : 約2+3/4回転戻し
など
メインジェットの変更
ノーマルキャブのメインジェットサイズは、#92になります。
まずはノーマルのジェットについて、番手が#92だと言っても、このジェットの種類はいろいろあります。
このノーマルと同じ種類のジェットをさがすことになります。
” ケイヒン 丸大 #95 ” などと検索しますと出てきます。
丸大とは、丸型の大きいほうを指し、逆に丸型の小さいタイプ 丸小もありますので、購入時には注意が必要になります。
そして、番手は2~3番違いとなっています。
エアフィルター(吸気)や、エキパイ・サイレンサー(排気)の小変更なら、純正#92→#95、98、100くらいのジェットあたりから最適なサイズを見極め、セッティングすることになります。
カムやオーバーピストン変更などのヘビーな改造まで行っていないのであれば、おおよそこんなサイズ感で収まるのかな?
私はライトなカスタムしかしませんので、 この先の大改造については、専門とされる方のホームページなどを参考にして下さい。
では、ジェットを検索してみます。
ポッシュフェイスから販売されますオーバーサイズのメインジェットのセットだと、#95・100・105・110・115・120と、5番手違いの6個入りになります。
このポッシュのものは、番手違いが1個づつの6個入ったセットになり、値段3500円超になります。
4気筒なので、4セット分必要となりますので、値段は×4となります。
粗い番手違いな上に高額になります。
そこで、シフトアップさんのメインジェットを、私は使用しています。
こちらは、細かな番手違いのセットになり、1セットあたり1000円台と良心的です。
こちらも4セット分必要になりますけどね。
安価ではありますが、これでも使用しない不要なサイズが含まれます。
そこで、シフトアップさんの商品には、補充セット と呼ばれる同じ番手5個入りがラインナップされていますので、個別サイズの補充セットの中から、欲しいサイズ#95と#98だけを購入しました。
ハードな吸排気カスタムをしないのであれば、ほぼノーマルに近いサイズ感だけでちょうど良いと思います。
メインジェットは、主に半開くらい~全開の高出力側の調整を受け持つのですが、低中出力側にも多少の影響力を持っています。特に中出力あたりのニードルジェットとの繋ぎ目あたりが、濃かったり薄かったり・・・・・・。
スロージェットとのつながりだったり・・・
でも、変更したいと思っても、二の足踏みますよね。
そのたびに、付帯作業を伴いますからね。ほんと、大変でイヤです。
私は、最後は全開側を使うことはないので、メインジェットをほぼノーマルに近いサイズ#95として最終的に選択しました。
ほぼ妥協した感は否めませんけどね(^_^;)
これでも乗り難さはありません。
そもそもフルスロットルなんてしませんからね。
ここで、メインジェットの変更はたった2回?ではありません。
スロージェットとの組合せが入ると、掛け算で増えます。
さらに気筒の1番・4番は同じとし、2番・3番も同じとしますが、1・4番とは異なる番手とするセッティングもあります。
メインジェット2つ用意しただけで、複数の組合せとなります。
スロージェットの変更(? 元に戻し)
ノーマルキャブのスロージェットサイズは、#35になります。
こちらも個数は×4必要になります。
これを吸排気のカスタム具合で、#38か40位に変更します。
私の場合は、#35→38→35 と、ノーマルに戻りました。
それは、低~高までの繋がり具合も問題がなく、雨の日でも走りやすくてマイルドだったから。
そんな理由です。
低速がスカスカにならないようインナーサイレンサーを付け、ノーマルに近い吸排気状態に戻っただけなのかもしれません。
そのことで、とても乗りやすくなりました。
(※記事としては逆転してしまいましたが、この後、低速側の操作性をシビアにしかねないハイスロを入れたのですから、おバカさんですね)
パイロットスクリュの調整
吸気排気の変更により、都度調整しますので、スクリュー回転数はあまり参考にならないと思いますので詳しく記載しませんが、前後に回して最適な箇所を探っていきます。
ここも、最後は妥協です。
ちなみに標準は 、約2回転と3/4回転戻し になります。
このパイロットスクリューは、アイドリング付近から低速あたりの範囲を主に受持つ、とても重要な調整となります。
アイドリング付近から低速範囲のスロージェットが主役となる付近の不調の場合には、メインジェットやスロージェットを交換する前に、このパイロットスクリューの調整を、一度してみては?と。
不要なモノを買わずに調子を取り戻せるかもしれません。
エアージェット類
マフラー交換とエアークリーナーボックスを付けたままで、エアーフィルターの変更程度なら小変更なので、変更してません。
最後に
最後も言いますが、セッティング作業には付帯作業がとても多くて大変なんです。
ジェット類の調整は、苦労の末に得られるものは他ならぬ、自己満足ですね。
純正キャブレターの調整範囲内でセッティングしていますが、妥協に妥協を重ねながら、いろんなパターンの組合せを試し出した答え、それはメインジェット #92(ノーマル) → 95 の小変更のみ(笑)
(※パイロットはノーマル戻し)
私のような小変更レベルでも、試したい組合せは数パターン有りました。
最後にどれか選んでセットすることになるので、最低計5回の作業をすることになります。
吸排気系を大きく変更した場合は、もっと大変なんでしょうね。
小改造程度がDIYレベルとしては、丁度良いくらいだと思います。そして、多趣味な自分には、大改造は時間(労力)と費用が掛かり過ぎますので、私にはムリですね。
楽しく走れた時間を、苦労しセッティングに費やしただけと、この作業をマイナスに考えてしまうから。
つくづく思います。
付帯作業無く、空燃比を簡単に変更出来るインジェクションって良いですよね。